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異国の風習に初参加 2

   ギルド長の連れてきた料理人が、大きな鍋でしるこを作り始めた。  どうやら甘いものみたいで、甘いものが苦手な面々はもちをそのまま分けてもらって、各々好きなものと一緒に食べていた。    味がないので適当に味付けしているが、一気に食べるとむせて下手すると喉に詰まって危ないらしいので、それだけ気をつけて食べなくてはいけないらしい。 「なんだコレ! 伸びるぞ!」 「癖になるかも……」  先に食べている面々にはなかなか好印象な食べ物なようだ。  相変わらず無表情のリューも大人しく待ってはいるものの、全く興味はないようでただ眺めているだけだ。 「リューは、しるこでいいのか?」 「別にどれでも構わない」 「拘りも何も、食べてみないことにはね」  僕も大人しくしるこの完成を待っていると、かき混ぜ終わった料理人が、器にしるこを盛り始める。  順に並んで器を受け取る。 「熱いので気をつけてください」 「ありがとう」  茶色の色の中に白のもちが浮かんでいる不思議な食べ物に見えるが、香りは悪くない。 「この茶色の豆のようなものは?」 「あずき、といいます。甘い豆です。甘い食べ物ですが、思ったよりもさっぱりとしているので美味しいですよ」  料理人の説明を聞きながら、スプーンとフォークが一体化したようなものを渡された。  本来は、はし、というもので食べるそうだが食べづらいだろうということで、スプーンの先がフォークのように分かれているものが準備されていた。 「あっちのテーブルで食べようか」 「あぁ」  少し離れた位置にある丸テーブルと椅子が置かれたところへと移動する。  ガサツなヤツらは立ったままで食べてるし。  折角ならば、ゆっくりと堪能してみたい。 「……いただきます」 「いただきます」  二人で手を合わせてから、器を持ち上げてまずは汁を口に含んでみる。  まだ熱いので慎重に含むと、甘いのだが、いつも食べているような甘さとはまた違った甘さを感じた。  あの料理人が言う通り、しつこくない甘さだ。 「うん。何か不思議な感じがするけど、嫌いじゃない」  僕がのんびりと堪能していると、リューが黙々と食べ進めていく。  もちにも手をだすけれど、一口含むと伸びるので、上手く食べるのが難しい。  リューも口に咥えたままで器を下に引っ張ってしまったせいで、みょーんと、もちが伸びたまま動かなくなっていた。 「ちょっと……リュー。離さずに近づけて噛み切った方がいい。それだと永遠に伸びるよ」 「ん」  一言だけ返事をすると、大人しく器を近づけて食べ始めた。  何というか、変なところで不器用で笑える。 「ん……弾力がある。これは、色々と使えそうだ」 「……お前がそういうことを言う時は、大抵碌なことを考えていない」 「あはは。バレた? これをアソコに貼り付けたら、勝手にイクのを止められそうだな……とか?」  折角遠回しに言ったのに、リューに睨まれた。 (でも、そのまま固まったらマズイかな)  興味はあったけれど、今は大人しく食べてしまうことにした。

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