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異国の風習に初参加 3

「でも、リュー。何か食べっぷりいい感じする」 「甘い割には食べやすい。それにこのもち、腹にたまるから少量でも満たされそうだ」 「あぁ、それは確かに。硬いパンは食べづらいから、それならもちのほうがいいかも」  リューの言う通り、異国では固めて販売しているものもあるらしいから、そうなると保存食には向かないのかもしれない。 「でも、折角だからどれくらい伸びるのか試してみる?」 「お前、さっきと言っていることが……」  面白半分でもちを咥えてみた。  リューが物凄く睨んでくるけれど、無視をして笑顔で口を突き出すと、長く息を吐き出してから僕に近づいてきてもちを咥えた。  キスするくらいの距離感から、リューが元の席に戻るまでもちは伸び続けた。  そのうちに漸くプツリと切れた。 「んー……思ったより伸びたね」 「くだらないことを……」  それでも大人しくちぎったもちを咀嚼している辺り、食べ物は粗末にしないのだろう。   「なんか食感が癖になる。ただリューの言う通りお腹にたまるから食べ過ぎ注意かもね」 「あぁ。このくらいで丁度いい」 「ただのもちだと侮れないからね」 「訳の分からないことを」  色々おしゃべりしながら食べ終えてしまった。  もう一杯いけそうな気もするけれど、やはり食べすぎない方がよさそうだ。  リューが無言で器を持って席を立ったので、僕も後に続く。  しるこを作っていた料理人の側にいたギルド長がこちらに気づいて笑いかけてきた。 「おう、もういいのか?またおかわりもあるぞ」 「いえ、今日はこのくらいで。器はこちらに戻せばいいでしょうか」 「そこに重ねて置いといてくれ。しかしリューライトもアルヴァーノも少食だな」 「あまりお腹いっぱいになると後が困りますし」  僕の言い分にギルド長が両目を細めてこちらを見てきた。  何か関わりたくない顔をしてるから距離を取ろうとしたのに、僕の腕が取られて引っ張られる。 「なっ! 何でしょうか?」  リューは器と食器を片付けているのでこちらの状況にはまだ気づいていない。  それを分かった上でギルド長が僕に耳打ちをしてくる。 「お前が好きそうなことを教えてやる。もちつき、とはな。これだけをもちつきとは言わないんだそうだ。別の意味もあってだな――」  ギルド長の話を聞いて笑ってしまった。  異国でも結局考えることは同じなのだと、人間はそういう生き物なのかもしれない。  僕が笑っているところで片付けを済ませたリューが戻ってきて不審な顔をする。 「……」 「リュー、僕の分まで片付けをありがとう。これで帰っていいらしいから、帰ろうか」 「……あぁ」 「では、ギルド長。失礼します」 「おー。仲良くな?」  ガハハと豪快に笑うギルド長にリューも微妙な表情をしていたが、そのリューを引っ張って一足先に戻ることにした。  

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