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第15話

日曜日、そして月曜日…。 熱は日に日に下がるどころか上がっていた。 「40…度……。」 視界が霞むし、頭痛ヤバい。 でも出勤しなきゃ…。 先輩に会って、誤解とかなきゃ…。 ビジネスバッグに手を伸ばし、那瑠に書かせた誓約書を取り出す。 「………んだこれ。」 濡れないように何重にもファイルを重ねたのに、誓約書は濡れて、那瑠のサインも捺印も滲んで使い物にならなくなっていた。 馬鹿だろ、俺。 これを書かせるために、入りたくもないラブホテルにまで入って無理矢理書かせたのに……。 「…クソッ」 余計頭が痛くなって、ベッドに仰向けになる。 マジで呪われてるだろ…。 俺が何したっていうんだよ。 でも誓約書は書かせねぇと…。 あいつが先輩に会うことだけは阻止しないと、本当に性格悪すぎて何されるかわかんねぇ。 この時の俺は、熱に頭が侵されて、誓約書が使い物にならなくなったことが那瑠にバレなきゃ問題ないということに気づくことすらできなかった。 何も考えず、思いつくままに那瑠に『誓約書書き直せ。』と連絡を入れた。 『はいはーい。またホテルでいい?』 返事が来たが、文字が霞んで読めなかった。 あぁ、もう。 早く書けよ。 誓約書がないと、先輩に胸張って会えないじゃんか。 那瑠とは関係を完全に切った、これでもう会いにくることはないって。 イライラしてたら、電話がかかってきた。 『もしもし〜?ホテルでいいかって聞いてるんだけど〜。』 「………んで、番号知ってんだよ…」 『ラブホ入った時に名刺取ったから〜。てか、どしたの?しんどそうだけど。風邪?』 「………早く書けよ…。」 『無茶言わないでよ。どこで書けばいいの?家教えて?』 「………無理…」 『入らないから。お兄さんと同棲でもしてるんでしょ?そんな家、入りたくないし。』 「…………」 『いいからさっさと教えなよ。ちゃんと書くから。』 こいつの言うことって、信じていいんだっけ…? でもあの時も、なんだかんだ誓約書書いたしな…。 ダメになったのは俺のせいだし…。 家に入れなきゃ、いい話だよな…。 誓約書書かせたら、会いに来ないはず…だし……。 「×××の○○にあるマンション…、11階の角部屋…」 『わかった。17時頃でいい?』 「…………」 『行くからね。じゃ。』 電話切れた…。 まぁいいや…。うん。 17時なら先輩は仕事中だし…。 それで、そのあと連絡して、誓約書見せて…。 あー、頭痛ぇ……。 薬を飲む気にも、食事を摂る気にもならず、俺はその場で目を閉じた。

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