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第21話

「ただいま…。」 家に帰っても、もちろん俺を出迎える人はいない。 先輩は今日実家に帰ってしまったし…。 しばらく会えないのかと思うと、すげー淋しい。 でも、先輩を待つって決めたんだ。 それに今日は一歩前進。 先輩からメッセージの返信が来たし!! 「よし。」 夕食の準備をする。 今日はさすがに帰ってくるわけないけど、一応二人分。 まぁ余ったら弁当に入れればいいし…。 「いただきます。」 手を合わせてから、飯に手を付ける。 先輩が「うまっ!」て言いながら、俺の作ったご飯を頬張っている幻覚が見える…。 風呂も入って、0時までお湯を残しておいてみるけど、もちろん先輩は帰ってこない。 渋々栓を抜いて、湯船を洗った。 先輩のために毎日続けようと思うけど、帰ってこなかった時の虚しさったらないな…。 早く帰ってきてほしい。 「………先輩っ…」 寝室へ入り、ベッドに倒れる。 ベッドにはまだ微かに先輩の匂いの残っている気がして、布団に顔を埋めながらペニスを握る。 先輩を思い浮かべながら触れると、ググッと大きく硬くなる。 「……はっ…、せんぱ…ぃ…っ……」 シュッシュッ…と擦って、あと少しで達せそうなところで、先輩が俺を見て怯える姿が脳裏に過ぎる。 「……クソ…。」 怯えられるなんて今までなくて、ショックでたまらなかった。 さっきまで興奮していたソレも萎えてしまい、手を拭いてベッドに潜り目を瞑る。 先輩のことが心配で心配でたまらない。 たった数日で、目に見えてわかるくらい細くなった。 せめて、ご飯を食べてほしい。 嫌われたとしても、先輩のためなら毎日ごはんくらいいくらでも作るし。 眠れてんのかな…。 実家なら眠れるかな? ブラコン過ぎる先輩の弟は少し気がかりだけど、でも先輩が安心して眠れるなら今はそれでいい。 先輩は嘘をつくのが下手だ。 顔に出るし、動揺して声も震えるから分かりやすい。 だけどああして嘘をつくのは、きっと無意識に自分を守るため。 それと、俺に心配をさせないため。 そんな優しい先輩だから、守りたいと思う。 俺の作った料理を食べて笑ってほしい。 俺の腕の中で安心して眠ってほしい。 愛してると、あの声で聞かせてほしい。 「おやすみなさい、先輩。愛してます。」 先輩の枕を抱きしめて、キスをして目を閉じた。

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