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第59話
柳津さんからの返信はいつまで経っても来なかった。
あの人マジで……。
俺がどれだけ心配してるか分かってないだろ…。
22時を過ぎて、さらに追加でメッセージを送信する。
『マジで先輩大丈夫ですか?酔い潰れてないですよね?』
その後、しばらくして柳津さんから返信がきた。
『そろそろ帰る。綾人はまぁまぁ飲んだけど、お前のメッセージ見せたら怖がって酔い醒めてたよ。』
何で見せるんだよ?!
何のために柳津さんに連絡したと……。
怖がって酔い醒めたって……。
つーか、バレたなら別に先輩に送信してもいいよな?
ホテル着いてからの方がいいかな?
ながら見して、先輩が転けたりしたら大変だし…。
23時を過ぎた頃に、俺は先輩にメッセージを送信した。
『先輩、大丈夫ですか?声、聞きたいです。』
送信して3分後、先輩から着信がきた。
「もしもし!?先輩っ!」
『早ぇよ(笑)』
クスクスと笑う声が聞こえる。
あ…、元気そう。よかった…。
「先輩、大丈夫ですか?酔ってない?飲み過ぎてないですか??」
『うん。大丈夫。』
「電話、どれくらいできますか?」
『城崎の方が忙しいだろ。俺はあとシャワーして寝るだけ。』
こうして先輩と電話していると、昔に戻ったみたいだ。
本当ならビデオ通話とかしたいけど。
どんどん高望みしてしまうのは、俺の悪い癖だ。
先輩が話して欲しいと言うので、俺は今日あったことを先輩に話した。
新幹線でのちゅんちゅんのバカ話は、先輩も面白そうに笑ってた。
ありがとう、ちゅんちゅん。
「あとはそうだ。さっきお好み焼きを食べたんですよ。でね……、先輩?」
『…………』
先輩の反応がだんだん遅くなってきた。
通話を始めて1時間と少し。
もう0時半を過ぎた。
これはもしかして……。
「………もしかして、眠い?」
『……ぇ、あー……、うん……』
眠そうな声が聞こえ、思わず口元が綻ぶ。
きっと首ガクンガクンさせながら眠気と闘ってるんだろうな…(笑)
「寝ますか?明日も仕事ですもんね。」
『んん……、シャワー……』
「朝にしたら?先輩もう寝ちゃいそう…。」
『………入る……』
シャワー室まで辿り着けたら、お湯かかって目が覚めそうだけど、この様子だと辿りつく前にこのまま寝そうだな。
あー、可愛い。
ニヤニヤ止まんない。
電話越しに服の擦れる音が聞こえて、俺は耳をすませた。
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