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第101話
翌朝、なんとか寝付けたと思ったら5時過ぎ頃に水音がして目が覚めた。
目を擦りながら様子を見に行くと、浴室の灯りがついていた。
「先輩、もう起きたの?大丈夫…?」
「………城崎?」
ノックしてそう尋ねると、浴室の扉が開き、髪の濡れた先輩と目が合う。
「っ///」
目のやり場に困った。
見ようと思えば、先輩の裸が見えるから。
やっばい…。顔熱い……。
「……?」
「先輩…っ、目の毒だから閉めてっ!」
「ご、ごめん…。」
シュン…と悲しそうに扉を閉める先輩に、何か誤解されたのかと不安なる。
扉に手をつき、誤解を解くために今の気持ちを伝えた。
「いや…っ、むしろご褒美なんですけど…、俺何しちゃうか分かんないから…。」
「俺のこと嫌いになったわけじゃない……?」
「そんなわけないでしょ!?」
不安げにそう聞く先輩に、全力で否定する。
この人本当ネガティブだな?!
なんで俺が先輩のこと嫌いになるんだよ??
磨りガラスに手を当てると、先輩が扉越しに手を重ねた。
ガラス叩き割りてぇ…。
「……先輩の裸なんて見たら、どうしても触りたくなるから。」
自分でも驚くほど小さい声で本音が溢れた。
すると、勢いよく扉が開いて、肌色が俺の胸の中に飛び込む。
「わぁっ!えっ?え??」
せ、先輩?!
待って。待って無理。
先輩の裸とか何ヶ月ぶり??
死ぬ。心臓壊れる。股間爆発する…!!
「せ…、先輩……っ!離して……?」
「………っ」
先輩は恐怖と、あと濡れてるから寒いのか、ガタガタ震えていた。
なのに、俺を抱きしめる力を強める。
これ以上は無理…!!
「先輩…っ!!」
「…っ」
先輩の肩を押して、数十センチだけでもと距離を取った。
これ以上近づいたら、俺マジで何するかわかんない。
先輩を押し倒して、嫌がってもやめてあげられないかもしれない。
先輩は過呼吸になりかけて、もう発作を起こす寸前だ。
目を瞑って、興奮して荒れる息を整える。
「ダメだから…っ。先輩がそんなになってるのに…っ、これ以上煽んないでください…っ!」
必死にそう伝えると、先輩も俺から手を離した。
タオルを掛けてあげると、先輩はくしゅんっとくしゃみをした。
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