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第157話

結局今日もほとんど眠れなかった。 鏡を見るとくっきりとクマがあって、流石にこれはやばいなと苦笑する。 とにかく会社に行こう。 先輩は来るだろうか? 休むにしても、先輩のことだから連絡してきそうだし…。 いつもより随分早く出社する。 もちろん一番だった。 俺が出社した直後、久米さんが出勤した。 「あれ?おはよう。」 「おはようございます。久米さん、来るの早くないですか?お子さんは?」 「金曜日に残してきた仕事があったから、子どもは旦那に任せてきちゃった。城崎くんこそ早いね?」 「あー…、はい…。」 お互い無言でカタカタとパソコンを打つ。 先輩が来ることはなくて、電話も鳴らない。 「ちょっと休憩してきます。」 「いってらっしゃーい。」 寝不足で目が霞む。 少しリフレッシュするために自販機へ行って、珈琲を飲んでから部署に戻った。 「城崎くん、タイミング悪〜い。」 「え?」 「今、望月くんから休みの連絡があったのよ。城崎くんいたら代わってあげようと思ったのにー。」 「電話は?!」 「もう切れちゃったよ。」 そんな…。 タイミング悪すぎる。 でも、先輩が生きてるってことが分かっただけでも嬉しかった。 もしものことがあったらと思うと…。 「先輩、なんて言ってました…?」 「なんか体調不良だって。声も元気なかったよ。」 「そうなんですね…。」 きっとまた食事をサボってるんだ。 いきなりいなくなった原因も、木曜日に那瑠と会ったからなのか? 電話があったってことは、スマホの充電はまだあるってこと? 俺と柳津さんの着信で、充電切れてたらどうしようって不安だったんだけど、見てくれたかな? 見たなら一言だけでも連絡が欲しい…。 「城崎、おはよ。」 「柳津さん……」 「どうした?そんな捨てられた子犬みたいな顔して。」 みんな続々と出勤してきて、柳津さんが俺を見つけて肩を叩いた。 俺、そんな顔してるのか…。 「先輩から……、休みって連絡があったらしくて……。」 「おぉ、連絡あったならよかったじゃん。」 「よかったけど、よくないです…。見つかってないし…。」 というか、連絡があったってことは警察も頼れない。 完全に家出人扱いだ。 スマホを見てくれていることを期待して、俺はまた何度も電話を入れた。

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