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第182話
今の俺が加減なくキスしたら、先輩は窒息して死ぬと思う。
だからこれ以上煽らないでほしい。
「城崎。」
「なんですか!お風呂の時だってあんなに煽って!!俺怒って……!!」
後頭部に手を回されて、引き寄せられる。
先輩の唇が俺の唇に触れた。
「怒ってんの?」
「……………」
「俺、城崎にキスして欲しくて、割と自分なりに頑張ったんだけど…。」
怒ってた……と思う。
キスされて全部飛んだ。
ていうか、この人本当俺のことどうしたいんだよ?!
キスして欲しくて頑張ったって…。
可愛過ぎだろ!!!!
「〜〜っ!!………理性飛びそう。」
「飛ばしていいよ。全部俺が……、うわっ!?」
先輩の余裕を崩したい。
両手を顔の隣に縫い付け、ゆらゆらといろんな感情で揺れる先輩の瞳を見下ろす。
「いいよって言ったのは先輩だから。」
俺は先輩の唇に、噛み付くようにキスをした。
「ふっ……んん…」
「……っは、ん……」
呼吸の仕方も忘れてしまうくらい、先輩とのキスに夢中になった。
少し血の味がする。
俺の歯が、先輩の柔い唇を傷つけてしまったのかもしれない。
舐めときゃ治る。
どこかの誰かが考えた根拠もない言葉を、今は言い訳に使わせてほしい。
柔らかい。気持ちいい。
我慢できず、意識のない先輩にキスしていた時とは違う。
胸いっぱいの幸福感が俺を包み、これが幸せなのだと教えてくれる。
「好き。愛してる。」
「んんっ…ぁ、ん…」
「先輩、愛してるよ。」
愛の言葉を囁くと、先輩は体を震わせて甘い声をあげる。
ほんの気持ち程度はあった先輩の抵抗もいつの間にかなくなり、俺は先輩の頬を両手で包み、深く味わうようにキスを繰り返した。
可愛くて、愛おしくて堪らない。
舌を絡ませると、お互いの唾液がクチュクチュと耳に響いて、それがさらに興奮を煽る。
キスだけじゃ足りない。
もっと先輩に触れたい。
頬から顎へ、顎から首へ、撫でるように手を下へと下ろしていく。
腰辺りまで辿り着き、服の中へと手を滑らせると、先輩はビクビクと震えた。
「ぁっ…、城崎…っ、あっぁ♡」
「可愛い……。大好きだよ。」
「…ゃっ!そこ…、あっ、んむ…」
「逃げないで。」
背筋をなぞると、先輩は腰を浮かせた。
反論なんて言えないようにキスで口を塞ぎ、逃げられないように腰を引き寄せる。
「に…、逃げてない…っ!」
ビクビクする先輩の体。
否が応でも先輩のお腹に俺の硬くなったソレが当たる。
気づいたのか、先輩は動きを止めてゴクリと唾を飲んだ。
「城崎……」
「ごめん。もう少しこのままでいさせて…。」
俺は先輩を力強く抱きしめた。
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