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第194話

射精して先輩の背中にもたれかかると、先輩は力が抜けたように崩れて俺の下敷きになった。 慌てて体を退けると、ごろんと寝返りをうって俺の方を向いて、気怠げな顔で俺を抱き寄せる。 「も……無理……。」 「ご、ごめんなさい……。」 「久々だからすげー体力使う…。」 先輩は俺を抱きしめて固まった。 しばらくすると規則的な呼吸が聞こえてくる。 え……。先輩、寝た……? 「先輩…?」 「ん〜………」 俺帰ってくるまで寝てたのに。 まぁでも先輩ずっと声出てたから、余計に体力使ったんだろうな…。 俺の名前何度も呼んでくれるの、すげー可愛かったし。 「先輩……」 「…………」 「綾人さん」 「…………」 「綾人さん、愛してるよ。」 無性に名前を呼びたくなって、言葉にすると狂おしいほどに愛おしくなった。 髪、額、瞼、頬、耳朶、首筋、鎖骨… 頭のてっぺんから足の先まで、心を込めてキスをする。 もう触れられないかもしれないと思っていたから、奇跡みたいに嬉しくて、もう胸がいっぱいだった。 先輩の体を温タオルで拭いて、着替えさせてからベッドに連れて行く。 先輩を俺一色に染めたくて、俺のTシャツとジャージを着せた。 うん。イイな…。 先輩がぐっすり眠ってるのを確認してから、キッチンに向かい夕食の支度をする。 明日からの三連休は、明日心療内科の受診があるくらいで、あとは予定も入れてないからゆっくりできるはず。 多分先輩も入れてないと思うんだよな。 予定あるならついて行くけど。さすがに心配だし。 夕食が完成し、ダイニングテーブルに並べる。 先輩を呼びに行こうとリビングのドアを開けると、先輩が立っていた。 「びっくりした……。」 「いい匂いしたから目ぇ覚めた。」 「今日はチキン南蛮です。あとマカロニサラダと春雨スープ。」 「ふふっ…。マジいい奥さんなんだけど。」 先輩は俺を抱きしめて幸せそうにそう言った。 なにこれ…。 幸せすぎるんですけど。 「俺が妻兼大黒柱になりますね!」 「おいおい。それじゃ俺の立場どうなるんだよ。大黒柱は俺にさせろ。」 「先輩のお金は自分のために使ってもらってもいいと思ってるので。」 「城崎のが若いんだから、いろいろしたいことあるだろ。俺はもう歳だしさ。」 「歳って、まだ30でしょ。俺がしたいことって、先輩に関わることばっかりなんで。だからいいんです。すぐに昇進してもっといっぱい稼ぎます♡」 チュッとキスして体を離す。 ご飯食べて、一緒にお風呂に入って、何度もキスしてから眠りについた。

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