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第195話
土曜日。
今日は先輩とデートする。
昨日寝る前に提案してみたら、あっさりOKもらってしまった。
言ってみるもんだよなぁ。
先輩がゆっくりリラックスできるところがいいなと思って、プラネタリウムを予約した。
「先輩、準備できました?」
「おー。」
玄関で待っていると、先輩がリビングの方から急ぎ足でこっちに来た。
くすんだライトブルーのTシャツにスキニーっていうシンプルな格好だけど、先輩が着ればなんだって可愛い。
先輩は俺を見て動きを止めた。
これって、もしかして…?
「せーんぱい♡」
「な、何…?」
「今日の俺どうですか?」
「………めちゃくちゃ格好良いよ。」
やっぱりそう思ってくれてたんだ。
顔を見なくても耳まで真っ赤で、俺って本当に愛されてるんだなぁと実感する。
「先輩もすげー可愛い♡」
「なっ…!?」
「デート楽しみですね♡」
「おぅ…///」
恥ずかしいのか、靴を履き終えてすぐに玄関のドアを開こうとする先輩。
腕を引くと、体勢を崩して俺の腕の中に飛び込んでくる。
「いってきますのチュー。」
「っ!」
唇を重ねて、舌を入れる。
やっぱり先輩とのキスはすごく気持ちよくて幸せ。
先輩は完全に力が抜け、俺が支えてないと足から崩れ落ちていきそうだ。
キス一つでこんなになっちゃうの、可愛すぎてズルいでしょ…。
「ん…ふ……」
「ん、上手。」
時々控えめに、自分から舌を絡めてくれるのがとんでもなく可愛くて、頭を撫でながら褒めると、先輩は積極的に舌を絡めようとしてくれる。
やべぇ……。ベッド行ってドロドロに甘やかしたい……。
先輩の腰をグッと引き寄せた瞬間、ピピピッとアラームが鳴る。
「あーあ。もう時間か。」
「な、何…?」
「俺がやめられなくなった時のために、念のためアラーム入れてたの。もう出ないと予約時間遅れちゃいます。」
アラームなんて入れなきゃよかった。
すげー不完全燃焼。
先輩も同じように思ってくれてたのか、物足りなさそうな顔。
顔を真っ赤にしたまま外へ行ってしまいそうだったから、また腕を引き、触れるだけのキスをした。
「大好き♡」
「な、何すんだよ!」
「だって先輩、物足りないって顔してたんだもん。」
「っ…?!///」
「違った?」
「……違…くない…」
うわー。可愛いーーー。うわぁ……。
アラームをかけた俺のバカ。
何度もキスしていると、先輩が嬉しそうに笑って、俺の心臓が幸せのあまり爆発しそうになった。
可愛い……。
…………あ。
「やばい!遅れる!!」
「あ。」
「先生に少し遅れるって連絡します!」
スマホを開いて、クリニックのHPから電話をかける。
すぐに受付の人が出てくれて、「多少遅れても構わないので気をつけてお越しください。」と優しく対応してくれた。
電話を終えて、先輩と手を繋いで炎天下の中を歩いた。
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