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第199話
「し…ろさきっ…」
「先輩…っ、好き…、愛してる…」
愛おしい。
先輩の髪や頬を撫でるたびに、先輩が嬉しそうに笑うから、心の底から幸福感が溢れ出す。
もっと先輩に触れたい。
愛したい。
「先輩…、いい……?」
「お…、おぅ…。」
「先に髪と体洗っちゃいましょうか。」
「おー…」
返事に戸惑いも感じて、本当に心の準備できてるのか心配になる。
いや、でも俺も今日最後までシようと思ってるわけじゃない。
キスと触り合いだけじゃなくて、あわよくば先輩の可愛い乳首にお目にかかりたいというか…。
あ〜……。
無心になることに専念しながら、先輩の全身を丁寧に洗い上げる。
無心で先輩の体に触れるなんて無理で、すぐに諦めたけど。
もういっそ先輩に触れられる喜びを噛み締めながら触れた方がいい。
「っっ!!!」
「ふふっ。先輩、体強張りすぎ。そんなに緊張しなくても。」
「ご、ごめん!」
吹っ切れたら触りたくなってしまって、先輩の首筋にキスすると、先輩はビクンッと体を跳ねさせた。
「大丈夫。嫌なことは絶対しないですから。」
「う、うん…。」
「抱きしめていい?」
「う…ん。」
湯船に浸かって先輩を抱きしめると、全身ガチガチに身体を緊張させていた。
ヤバいな…。
先輩を抱きしめるたびに、幸せすぎて夢か現実か分からなくなってしまう。
でも先輩の体温が現実だって教えてくれるから。
「先輩が俺の腕の中にいる……。」
「だから何だよ…?」
離れていたあの頃は生きた心地がしなかった。
毎日が不安で、寂しくて、辛くて…。
今はちゃんと息をしてるって感じがする。
「幸せ。ちゃんと生きてるって感じがする。」
「………なんか分かる。」
「俺、先輩なしじゃ生きられないみたいです。」
「俺も…。」
同じように思ってくれてるなんて、こんなに幸せなことある?
もう離れない。絶対に離さない。
「これからは何があっても、ずっとそばに居てくださいね。」
「うん。」
「約束。」
ゆびきりげんまん。
嘘ついたら先輩であろうと針千本飲ませてやる。
嬉しそうに笑う先輩を見てると俺もすごく幸せ。
俺が笑うと、先輩はもっと笑顔になった。
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