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第204話
ご飯も風呂も終え、ベッドに寝転ぶ。
今日は俺と先輩のキス記念日って名付けたいくらい、いっぱいキスしたなぁ。
「唇ヒリヒリする…。」
「まぁ二ヶ月分キスしましたから♡」
「皮めくれた…。」
先輩は自分の唇に触れながら眉を顰めた。
キスしすぎも考えものだな。
しないとかいう選択肢はないんだけど。
ゴソゴソと鞄から今日買ったアレを取り出す。
「じゃーん!見て、先輩!」
「何?」
「リップクリーム。先輩用に買っておいたんです!」
ちょっと高いやつ。
でもネットで調べて保湿効果も高いって書いてたから、迷わずこれにした。
先輩はきょとんとしていたけど、俺がキャップを開けると、うーっと唇を突き出した。
塗って、ってことなんだろうけど…。
「っ?!なんでだよ!?」
「キス待ちかな〜って。」
「この流れはどう見てもリップクリーム塗れってことだろうが!」
キスしたらめちゃくちゃ怒られた。
だって可愛かったんだもん…。
今度こそリップクリームを塗ってあげると、先輩から俺にキスしてくれた。
「ありがとな。」
「どういたしまして。…って言っても、自分のためみたいなところもあるんですけどね。」
先輩の唇が荒れてたらキスするの躊躇っちゃうし。
なんて不埒なこと考えてちゃ、いつか罰当たりそう。
「ううん。俺のためだよ。」
「え?」
「俺、城崎ともっとキスしたいし。」
先輩は俺に馬乗りになって、唇を重ねた。
え〜………、なにこれ。
罰当たりどころかご褒美が過ぎるんですけど。
潤んだ目で見下ろされて、ズクン…と中心が疼く。
「なぁ、城崎。」
「はい……。」
「明日もいっぱい触って。」
そんな俺にメリットしかないお願いして、先輩は後悔しないのだろうか。
言葉通り、いっぱい触ると思うけど。
発作は今のところ起きてないし、治ったって思ってもいいのかな…?
でもやっぱり不安はある。
いざ繋がろうって時に先輩が発作を起こしたらどうしようって…。
「先輩…」
「ん?」
「今日…、その……、乳首…触られても嫌じゃなかった…?」
「は、はぁっ?!」
「いいから!教えてください…。」
先輩は言いたくなさそうだけど、この答えによっては…。
俺は先輩に手を出すことすら怖くなってしまいそうだ。
じっと先輩の目を見つめると、先輩は俺から目を逸らした。
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