206 / 242

第206話

目を覚まして、腕の中で先輩が眠っていることに安心した。 これから毎朝こんな幸せな気持ちになれるなんて、先輩って俺にとって本当にすごく大きな存在だな…。 「ん……」 「先輩、おはようございます♡」 「ん〜…、おはよ……。」 スリ…と胸元に頬を擦り寄せてくる。 可愛い……。 チュッとつむじにキスすると、またスリスリと擦り寄ってきた。 「襲っちゃいますよ…?」 「い…ぃょ……」 「本当に襲うよ?」 「んん……」 絶対適当に返事したじゃん。 あーもう。イタズラしちゃお。 先輩の服の中に手を忍ばせる。 昨日結構いじったからか、まだ陥没しきっていない先輩の乳首。 どうしてやろうか? こねくり回す? それとも引っ掻く?噛む?吸う? 「ん…ぅ…」 「ほら。起きないと触っちゃいますよ?」 「……るさぃ…」 今、うるさいって言った? この人、俺を怒らせたらどうなるか分かってないな…。 爪を立てて乳首を思いっきり引っ掻いた。 「っっ?!!な、何っ?!」 先輩はガバッと飛び起きて、何が起こったか分からないのかパチパチと目を見開く。 俺は先輩の腰を抱き寄せて、もう一度ベッドに引き込む。 「起こしても起きないし、俺にうるさいって言ったからイタズラした。」 「い、言ってない!」 「言いましたよ。傷ついた。」 「………ごめん。」 傷ついたって言ったら、先輩はすぐに謝った。 そんな悲しそうな顔させたかったわけじゃない。 「嘘ですよ。」 「どこまでが嘘…?」 「先輩が寝ぼけて俺にうるさいって言ったのは本当。傷ついたのは半分嘘。先輩にイタズラする言い訳が欲しかっただけ。ごめんね?」 額にチュッとキスすると、先輩は不安そうに俺の胸元に顔を埋めた。 「俺さ…、今なんでもすぐネガティブに考えそうになっちゃってさ…」 「うん。俺も先輩と離れて弱くなっちゃったかも。先輩に甘えたいな〜?」 「……今日も明日も出掛けなくていいから、家でゆっくり過ごしたい。」 「俺も。先輩が俺にしてほしいこと、全部叶えてあげたい。」 抱きしめて、頭を撫でて、甘い言葉を囁いて、先輩を陥落させたい。 先輩が俺なしじゃ生きられなくなるように。 ドロドロに甘やかして、俺だけの先輩になってほしい。 「どうしてほしい?」 「………愛してほしい。」 「お安い御用です♡」 日曜の真っ昼間から、陽が落ちて夜になるまで、先輩の体を丁寧に隅から隅まで愛撫した。

ともだちにシェアしよう!