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第211話

「しばらく治らないですよ、これ…。」 「いいから触れよ…っ」 「どうするの?明日仕事なのに。」 「うぅ〜……」 先輩いつも「30だぞ?」とか言うけど、この性欲でよく言えたものだ。 俺としては本当、最高なんだけど。 ないものねだりなのかな…。 俺が挿れないから欲しい…みたいな。 「マジでもう触んねぇの…?」 「しばらくはね。」 「いつまで…?」 「また陥没するまで?でも治んないかもね、これ。」 「…………」 冗談抜きで、これ戻るのか? 先輩の陥没乳首好きだったんだけどなぁ。 俺の腕の中で先輩はムスッと頬を膨らませる。 触らないことを怒っているのか。 「先輩、シャツ着てみて?」 「………なんで。」 「いいから。」 機嫌が悪い先輩に無理矢理シャツを着せると、案の定はっきりと乳首が浮いて目立っていた。 これはダメだろ…。 先輩はそこまでとは思っていなかったらしく、カァっと顔を赤くする。 「ちょっと出掛けてくる。」 「え?もう21時すぎてるぞ?」 「だから急いで行くんですよ。」 床に脱ぎ散らかした服を集めて着る。 先輩は不安そうに俺の服の裾を掴んだ。 「どこ行くんだよ…?」 「ドラッグストア。」 「へ?」 俺の返答を聞いて、先輩はきょとんとした顔をする。 こんな先輩が甘えてくれて最高な状況の中、必要以外の外出するわけないじゃんか。 明日までに必要だから、俺だって渋々行くだけなのに。 「それじゃあ出勤できないでしょ。ていうか、させられない。だからニップレス買いに行ってくる。」 「待って…。俺も…っ」 「だめ。その乳首隠さないと外出禁止だから。先輩は大人しく待っててください!」 チュッと先輩にキスしてから家を出る。 ドラッグストア閉まるの21時半だったっけ…。 駅前まで走らないと間に合わなさそうだな…。 走って閉店間際のドラッグストアへ駆け込み、目的の物を探す。 女性用がほとんどで、少しだけ男性用も置いてある。 布地やシリコンなどいろんな種類があるらしい。 でもあんなに腫れてたら、もはや布地では間に合わないのでは…? 普段使いできる布地と、隠せなかったとき用にシリコンも手に取ってレジに向かう。 途中、コンドームが目に入り足を止めた。 5月からシてなくて忘れそうだったけど、もう残り少なかったような…。 いや…、しばらくはシないか…? でも、先輩のおねだりが続いたら俺は耐えられる気がしない…。 考えた末、俺はコンドームを手に取り、レジへ向かった。 閉店間際のせいか、レジは店員一人だけ。 しかも女性。 俺は気にしないけど…。 ニップレスとコンドームをレジに置くと、店員は俺の顔を二度見して顔を赤らめて商品を袋に詰めた。 嫌がらせではないんです。すみません…。 少し罪悪感を感じて、俺は店員に会釈して早歩きで家に帰った。

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