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第226話

唇にキスされて、ハッとする。 ていうか、この状況なに? 普通、誕生日おめでとうって言おうと思ってる直前に尻触らせる?? 「ふっ…、あはは!誕生日迎える瞬間に先輩のお尻直で触っちゃった!」 「ぷっ…、本当だな?」 「覚えててくれたの嬉しいです。もしかして、これ誕生日プレゼントですか?」 先輩のお尻を撫で回す券とかもらえたら、最高の誕生日プレゼントじゃね? 仕事終わりに使って毎日癒されるじゃん。 「バカ。違ぇよ。……でも、ごめん。プレゼントまだ準備できてなくて…」 先輩は口籠った。 誕生日プレゼントなんて、別にいらない。 先輩が、先輩の気持ちが、俺のそばに居てくれるだけで、ただそれだけで俺は最高に満たされるから。 「別にいりませんよ。先輩がいてくれればそれで。」 「やだ。渡す。」 「へへ。じゃあ期待して待っててもいい?」 くれるっていうなら、もらっちゃおうかな? 去年は腕時計をくれた。 時計をプレゼントするって意味は、『あなたと同じ時間を過ごしたい』。 きっと先輩はそう思って俺にプレゼントしてくれたのだと思ってる。 口下手だけど、物を通してでも伝えようとしてくれているのが堪らなく愛おしい。 去年はまだ先輩のこと知り尽くしていたわけじゃなかった。 今は先輩の考えていることも分かるようになってきたから、思い出を掘り起こしては、その時の先輩の本音を想像して幸せな気持ちになる。 顔を寄せると、唇が重なった。 お尻を撫でながら、唇に舌をねじ入れる。 先輩は時々甘い吐息を漏らし、俺に身を委ねるように力を抜いた。 可愛い…。 お尻の穴、嫌じゃないって言ってたよな…? 指の腹で入口を擦ると、先輩の体がビクビクッと大きく震えた。 拒否反応じゃなくて、感じてる。 本当にそうなら、めちゃくちゃ愛おしい。 さらにキスを深くすると、先輩はお尻を俺の怒張したペニスに擦り付けた。 「ちょっ…?!」 「城崎…、俺のこと好き…?」 は……? 先輩の質問に目が点になる。 好きですけど? 好きすぎて頭おかしくなりそうなくらい愛してるんですけど?? 「何当たり前のこと言ってるんですか。愛してます。世界で一番、愛してますよ。」 「その……、なんでシないの……?」 シ……、えっ? 「えっ?!いいんですか…?!!」 「……?ダメ…なのか……?」 「いや、まだ心療内科でもらった薬飲んでるし…、その、ダメなのかなって…。俺のこと怖いかなって……。」 「俺、挿れてって言ったじゃん。」 言ったね。言ってたよ。 言ってたけど、あれは…。 「あれは先輩が気持ちよくて何も考えられなくなっちゃったときでしょ?勢いでして、先輩が後悔するかもって思ったら怖かった…。」 俺もすげーキツくて、耐えれるか耐えられないかの瀬戸際だった。 理性失ったら先輩が泣いてても最後までシてたかもしれない。 そんなの絶対に嫌だった。

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