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第238話
押し倒して、何度も何度も触れるだけのキスを繰り返す。
大切にしたい。
この人のことが堪らなく好きだ。
「んっ…、城崎…」
「綾人…、綾人、好きだよ…」
本当は痛い思いをさせたくない。
数ヶ月繋がっていなかった秘部は、俺を受け入れるには狭くて小さかった。
本当は体から排泄物を出すための器官だから、当たり前と言えば当たり前だ。
でも、痛くても繋がりたいと言ってくれている。
先輩が勇気を振り絞って伝えてくれたであろう気持ちを無駄にはしたくない。
サイドテーブルに手を伸ばし、コンドームを手にする。
先輩は俺がゴムを付けるところをじっと見つめていた。
流石にちょっと恥ずかしいけど、唾を飲む先輩を見たら優しくしてあげたい気持ちが強くなった。
先輩は俺にお尻を向けようとした。
バックの方が挿れやすいからだと思う。
でもやっと先輩と繋がれるのに、顔見れないとか酷じゃないか?
肩を掴んで向かい合わせに戻すと、きょとんとした顔をしている。
「顔見てしたい。」
「っ!!」
「体勢辛いかも知れないけど、ごめんね。」
赤くなった顔、緊張して固くなった体。
全てが愛おしくて、たくさんキスを降らす。
ホットローションを先輩のペニスに垂らすと、ゆっくりと後ろまで伝っていく。
指でアナルに触れ、ローションで濡れていることを確認した。
「綾人…」
「ひぅっ…」
まだ名前呼びになれないのか、耳元で名前を囁くとビクビクと跳ねる身体。
双丘の割れ目に沿わせるようにペニスを押し付けた後、小さな穴の入り口に亀頭を押し当てる。
ヒクヒクと収縮する入り口は、俺の侵入を期待しているのか、それとも拒んでいるのか。
円を描くように滑らせていると、先輩が力を抜いたタイミングでググッと中に入る。
「っ…」
「痛い…?」
「平気…。まだ全然大丈夫。」
先輩が息を呑んだのを見て、一旦動きを止める。
カリ首にも届かない浅い挿入。
ここを越えれば少しは太さに慣れると思う。
「もう少し進めてもいい?」
荒い呼吸をしながら尋ねると、先輩も余裕がなさそうに頷く。
グッと押し進めると、カリ首が挿 入 った瞬間に先輩が唇を噛んだ。
「ぃっ…!」
「大丈夫?!」
「へーき…だから…っ」
目に涙を浮かべながら幸せそうに笑う先輩が、どうしようもなく愛おしかった。
きっと痛かったんだと思う。
でもそれ以上に幸せだと表情が物語っていて、俺の中にほんの少し存在していた罪悪感が消えていく。
先輩の前髪を掻き分け、額や瞼にキスを落とす。
耳朶を喰み、首筋に吸い付く。
その度にふるふると快感に震える先輩が愛おしい。
奥まで、全部繋がりたい。
「ぃ"あっ…!!」
ぐぐぐっと押し進めると、先輩は苦しそうに呻きながら涙を流した。
「ごめん。我慢して…」
「っっ…!!」
先輩の中を擦りながら奥まで進み、根本まで挿入した。
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