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第240話
じっくりと先輩を暴きたい。
そう思って、冷静に気持ちを落ち着けながら腰を揺すっていたのに、先輩はキスを求めながら必死に俺に訴えた。
「城崎…っ、城崎っ」
「はっ…ぁ…」
「出してっ…!気持ちよくなって…!」
「クッ…」
そんなこと言われたら堪らない。
先輩を抱きしめながら、中で絶頂を迎える。
「はぁ…、はぁ……」
「ひぁぁ♡」
ゆっくりと先輩の中からモノを抜くと、それすらも刺激になって、先輩はまたドライで達した。
ゴムを外すと、たぷん…と吐き出した欲望が可視化していた。
ゴミ箱に捨て、新しいのをまた付けていると、先輩は熱のこもった瞳で俺を見つめていた。
もう体力も限界だろうに、この人もやっぱり性欲強めだよなと笑いが込み上げる。
俺にとってはありがたいことだけど、もう少し体力作りしてくれたら尚良しだな。
…なんて、今こんなこと考えてるほど俺も余裕はなかったりする。
またお尻にペニスを当てがうと、さっきよりも広くなった入り口が誘うようにひくついた。
「もう一回、いい…?」
答えをわかっていて、敢えて尋ねる。
「当たり前だろ…っ」
「綾人、好き。愛してるよ。」
多少の抵抗はあるものの、さっきよりもスムーズに中に入る。
長めのストロークで探りながら、先輩のイイ所を探す。
反応が良かった場所を重点的に腰を振っていると、先輩は何度も絶頂を迎えた。
ぽろぽろと涙を流し、俺を見て愛おしそうに笑う。
「な…つき……っ」
「っ!」
掠れた先輩の声。
だけど俺の名を呼んだたった3文字だけの音に、愛おしさが詰まっているような気がした。
「……夏月…っ、俺と出会ってくれて……、俺なんかのこと……、好きになってくれて…、ありがと…」
そんなの俺のセリフだ。
先輩と出会えなかったらどうなっていただろう?
人生で愛する人に出会えなかったかもしれない。
人を愛する喜びや、愛される幸福感、燃えるような気持ち、醜いほどの独占欲。
全部先輩が教えてくれた。
女の人が好きだった先輩にしつこいくらいアプローチして、好きになってもらえるかなんて賭けみたいなもんだったのに、こんなに愛してもらえるなんて…。
抱きしめられて、もうとにかく幸せで、嬉しくて堪らなくて目からぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。
「夏月…?」
「ひっ…ぅう…」
「ちょ、どうしたんだよ…?!」
「あ、愛してま"ずゔ〜!!大好き…!もう何があっても絶対に離しませんから"ぁ"〜!!」
涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔で大泣きする俺を見て、先輩は目を丸くしていた。
呆れられてもいい。
情けなくてもいい。
でもどうしてもそれだけは先輩に伝えたくて言葉にすると、先輩は俺の頬を包んで優しく唇にキスをした。
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