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第9話※※
「…あ…、……。」
唇がガクガクと震え、ハァハァと息が早く浅くなる。
「……ランゲ…、、貴方は…、一体。」
「…俺は、俺だ。」
「……、、そ…んな。」
貴方と一緒なら、どんな罰もと…、
貴方となら、どこへでもと、、…堕ちたのに…。
「ミハエル…。」
あの言葉も、あの優しさも…、嘘だったのか…。
目を閉じればありありと浮かぶ、愛しい姿。
が、それはすぐに怒りと悲しみと後悔と罪悪感にかき消された。
あれは、私を、堕とすための嘘。
私は、悪魔に弄ばれたのだ…。
「…なんて、なんていう…。…ひ、酷い、わ、私は…、貴方を…、貴方を信じていたのに!
……あ、悪魔…、貴方は悪魔だ!!離せ!離せえ!ああ!!」
バサリと広げられた黒い翼で、体を包まれる。
暖かい布団を被ったように。
「……ミハエル…、愛してる、俺を信じろ、信じてくれ。やっと見つけた。もう二度と離さない。俺のものだ、誰にも渡さない。」
頭を固定されて口付けられたが、ミハエルは舌にガブリと噛み付いた。
「う、ぐっ…わ、私は神の僕!貴方のものではない!!わ、私を騙し、たぶらかした悪魔め!わ、私は、、私は…、なんという事を、…。」
罰だ…。
これは、神に背いた、罰…。
「ミハエル、俺はお前を愛してる。信じてくれ!」
「悪魔を信じるなんて、、私は騙されたのだ!く…、か、神よ…、、お助けください。神よ…。」
「神はお前を助けない。今度は絶対に俺が助ける。」
「あ、貴方の助けなどいらない!!神は私達を見ていて下さる!」
「い、いらない…、、だと…?」
悪魔の目に怒りが宿った。
震える口が、横にグッと引かれる。
「………、、ならば、神に祈るがいい。疫病が流行り、旱魃が起きても俺は助けない。」
ミハエルの動きがピタリと止まった。
「、、クッ……最初から、そういう契約でした。……私の事は、お好きに。人々に危害を加えたなら、貴方は力を失う。」
泣きそうな顔で、悪魔が青褪めたミハエルの顎を取った。
「ふん、いいだろう。お前が俺に尽くした分だけ魔獣を狩り、人々を守り、悪を暴いてやろう。さあ、脱げ。自分で服を脱ぎ、尻の穴を開け。」
「な、何を、そんな事が…、、。」
「それでも構わん。いつか妖獣が2人殺すなら、俺は1人しか救わない。」
「クッ、、何という…。」
ミハエルは唇を噛み締めて、震える手で服を脱ぎ始めた。
昨夜愛された余韻の残る体を、悪魔の目に曝すのが、酷く惨めに感じた。
悪魔はベッドに横になり、口をへの字にしてそれを見ている。
ランゲの面影の残る顔立ちなのに、腕は6本あり、ペニスは自分の腕ほどもある。
「さあ、どうした。咥えろ。」
「…、あ、貴方という人は…。」
ミハエルが聳り立つペニスに手を添えると、ソレはブルリと震えて淫液を滲ませた。
その長大なモノを口にしても、喉が裂けないことも、苦しくもない事も知っている。
それでも尚、その狂気そのものを形にしたようなソレに、恐怖を感じた。
「ふん、嫌なら咥えなくても構わんぞ。」
「卑怯もの!」
「ふん、俺は悪魔なのだろう。お前は悪魔に何を求める。」
「クッ…。」
涙が滲む。
貴方を、信じるべきではなかった。
貴方を、愛するべきではなかった。
いや、神を、裏切るべきではなかったのだ。
神よ…。
この身を賭して、人々を守ります。
どうか、お許しを…。
長大なペニスの先端に舌を這わし、少しずつ飲み込んでゆく。
こちらを見ろと言われ、苦しそうに目を細める悪魔を睨みつける。
頭を固定され、そのまま抜き差しが始まる。
少しもしないうちに、口の中に熱く滾るものが吐き出された。
ブルリと体を震わせながら、悪魔は言う。
「飲むなら、飲め。自分の意思でどうするか決めろ。」
「ウ…、クッ…、、ん、、ム…、、ゴク…ゴク…、、ぐっ!ゲホッゲホッ!」
「まだ中に残っているぞ、さあ、どうする。」
睨みつけた悪魔は、泣きそうな顔に見えた。
「…、チュ…チュウ…ん、ゴクン…、ッウ、ゲホッゲホッ!!」
涙を溜めて、ハアハアと息を吐くミハエル。
「さあ、もう一度だ。今度はこっちに尻を向けて自分でほぐすんだ。」
「な、そんな…、、う、うう…。」
ミハエルが、顔を歪めながら悪魔をまたぐ。
そろりと、長い指が後口の入り口を撫で、余韻の残る後口に、ツプリと指先が入った。
が、昨日とは違いキュッとキツく閉じたソコは、引き攣れている。
すると悪魔が何かを唱え始めた。
悪魔の指先が後口の周りから会陰を通り、柔らかな膨らみとこんな風にされても聳り立つペニスへ。
そして、その上の下生えの辺りで、何かをなぞった。
途端に。
「アウ!!ア、アッ、うう……ッ……。」
熱い魔素がミハエルに送り込まれた。
同時に、ズキン、と胸に酷い苦しみを覚えた。
「熱くなってきただろう。これでお前は俺が欲情すると発情する。ここを濡らして俺を待つようになる。」
淫紋だ。
「そ、そんな…、そんな…、あ…、ああ。」
「さあ、お前の全てを曝け出せ。」
ミハエルは、ワナワナと震える唇をキツく噛み締める。
愛してると言いながら、こんな事をさせるなんて…。
やはり、悪魔は、悪魔なのだ。
「なんて、…酷い。」
ミハエルは怒りと悔しさと胸の痛みで目を潤ませながら、口にペニスを咥え、双丘に手をかけた。
舌を這わし、蠢かし、飲み込みながら、後口を悪魔の目の前で広げてゆく。
チロリと舌を入れられて、思わず腰が揺れる。
胸もペニスもジンジンと熱を持ち、空白を埋めて欲しいと淫液が後口を濡らしていくのが感じられた。
…だが、これはなんだろう。
先程から、ズキンズキンと胸が痛む。
苦しい…。
体の痛みでは無い事は、既に知っている。
あの時から、傷ついてもさほど痛く無いし、すぐに治るようになった。
風邪も引かず、腹痛や頭痛さえ無かった。
ジワリ、ジワリと注がれ続ける魔素。
そして、その度に苦しくなる胸。
この苦しみは…。
感じられるのは、強い悲しみと怒り、恐怖と、狂おしい程の愛と執着。
苦しくて、苦しくて、まるで、体が張り裂けそうな…。
チュク、コリコリ…
「あう!」
不意に強い刺激が思考を途切れさせた。
「アッアアアア!!、ァ、ーー、ッーーー、ァ…。」
シコリを舐められ、ペニスを優しく撫でられただけで、すぐにミハエルは達した。
こんな、…感覚が…、鋭敏に?
「ミハエル…、、ミハエル…。」
悪魔が体を起こし、ミハエルに覆い被さる。
「ッ、、や、あっ、うっ……。」
やめろ、嫌だと言うのを、寸手のところで堪える。
拒んではいけない…、だが、思ったよりも…。
優しく撫でる手や触れ合う肌に、違和感や嫌悪が湧かない事にミハエルは戸惑う。
悪魔の体が震えている。
泣きそうな顔でミハエルをキツく抱き締めながら、ペニスを押し付けてきた。
ヌチュリと音を立てて先端を咥え、淫液に濡れた襞でペニスを扱くようにうねるミハエルの中。
大きなカリでシコリを押し潰されれば、声など堪える事もできない。
ミハエルの名を呼びながら、悪魔は執拗にソコを捏ね回す。
まるで、愛し合った時のように。
ズチュ、ズチュと水音が立つ度に、苦しくなる胸。
何故…。
涙を流しながら、ミハエルは絶頂を迎えた。
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