8 / 23

第8話※

ランゲの視線が、自分の不浄を舐めるように這う。 まるで視姦だ。 「ああ、綺麗な色だね。真っ赤に充血して、誘うようにうねってる。」 しかも、ひとつひとつ、丁寧な言葉を添えられる。 恥ずかしくて、恥ずかしくて。 それを誤魔化そうと、羞恥に悶えながらランゲのモノに必死に舌を這わせる。 「俺も、もうイキそうだ…。」 指を抜かれて、優しく頭を撫でられ、その言葉を現すように腰が突き出された。 やっと、羞恥の時間が終わった。 「ああ、ランゲ…、共に…。」 「ああ、ミハエル。良いというまで我慢だよ?」 ジュッ、ジュプ、ジュジュッ! 「あ、アアッ、アウ…、ん、チュプ、チュプ…、ウンンッ!」 ランゲがミハエルのペニスを音を立ててしゃぶり、腰を小刻みに揺らし始めた。 ああ、嬉しい、ランゲ…、、ああ、気持ち、いい…、、 ミハエルは喉の奥まで入り込むペニスに吸い付いて、手で竿を扱く。 自分のペニスはランゲの口の中で限界まで高められている。 ああ、いく…、、出てしまう…、ああ…、、ランゲ…。 ランゲの腰使いが早く、深くなってきた。 ああ、いく…、いく…、いくっーー! 「ああ、ミハエル、イケッ!」 その言葉に従うように、ミハエルの腰を震わせて快感が駆け抜けた。 同時にミハエルの口の中で、ランゲのペニスが収縮を繰り返す。 吐精の快感に恍惚としながら、口に放たれた熱さえ、ミハエルは愛しいと思った。 ああ、ランゲ……、、……嬉しい…。 歓喜と共にそれをゴクリと飲み下し、優しく優しく、鈴口に舌先を這わせ残滓を吸い取った。 もっと、欲しいだなんて…。 「ミハエル、ミハエル、すまない…、、は、吐き出さなければ…。」 「ランゲ…、貴方は吐き出したのですか?」 「吐き出さない。俺はそれさえ愛しいんだ。」 「…ランゲ…、私もです。貴方の精が欲しくて欲しくて仕方がなくて、貴方の、その、ここに、頬擦りしてしまった…。」 「ああ、ミハエル…、俺は、幸せだ。」 「ランゲ、私も、とてもとても、幸せです。」 今まで目を閉じて享受していた一方的な快感では得られない、愛する事の悦び。 目を開けただけで、こんなに…。 先程までとは、明らかに世界が違っている。 ランゲ…、、貴方と愛し合えた事が、私の人生最大の喜び。 目を潤ませ、顔を寄せる。 自分の精の匂いの残る口付けに、少しだけ戸惑う。 だが、舌を入れられればそんな戸惑いはすぐにどこかへ消え、2人は深く舌を絡ませた。 口付け合うだけで、切なく胸が疼く。 視線を絡め、糸が切れるのを追うように唇を重ね、舌を擦り合わせ、お互いの体を撫で合えば、ミハエルの腰がカクリと揺れた。 「ミハエル、もう少しだけほぐそう。痛いといけない。」 ランゲがミハエルをシーツの上に寝かせて、足を撫でながら広げてゆく。 真っ赤なペニスもふっくらとした膨らみも、待ちきれずに蠢く後口も、ランゲの前に曝される。 「ああ、ランゲ。あっ、もう、大丈夫…、、こ、こんなに、もう、柔らかいもの。」 ミハエルが真っ赤になりながら、自らその後口に手をかけたのだ。 少しずつ指先が埋まり、開かれてゆく、その秘所。 興奮が、ランゲを貫いた。 「ああ、ミハエル…、愛してる。ああ、ミハエル、ミハエル…。」 すぐにそこへ、ランゲの熱く硬いペニスが当てがわれた。 ぐうっと腰を押し付ければ、グプリとカリを咥えこんで、白い尻がわななく。 「ああ、あっ、あっ、ランゲ…、ああ、ラン…ゲ、アアッ!!」 キツく締め付けられて痛い程だ。 胸の蕾とペニスを優しく刺激しながら、ランゲは腰を進める。 「ミハエル、痛くないか、ああ、、ミハエル。」 「ぁ、あう…、、痛くは、ありません、、ただ、ぁ、、ランゲ…、、嬉しくて…。」 「ミハエル…。」 ズブ、ズブ、と自分の体の中に入り込むランゲの熱が愛しくて愛しくて、仕方ない。 ミハエル、ミハエルと熱い息を吐く度に聞こえる、甘く苦いチョコレートのような声。 ペニスを全ておさめて、見つめ合い、重なり合い、口付け合う事の幸せは言葉にはならず、目から溢れて優しく舐め取られた。 愛し合うという事がこれほどの喜びであるならば、確かに溺れてしまうだろう。 知らなかった頃には、もう、戻る事は出来ない…。 でも…ランゲ。 …貴方となら、何も怖くない。 ゆっくりと抽送が開始された。 ズヌヌ…、ヌプ… 「ぁ…、…ッ…、、ラン…ゲ…、、ん…、、。」 擦られる柔らかな内壁が、その熱さと硬さを敏感に伝えてくる。 グブグブ…、ヌチュヌチュ… 「ふっ、、ぁ…、、っ、っく…、、う…、ランゲ…。」 深くまで入れられて揺らされると、胸が震えて涙が溢れた。 ミハエル…ミハエル…、、 ランゲはゆっくりと腰を引いて、ゆっくりと挿入し、深く強く擦り合わせるのを何度も何度も繰り返す。 口付け、涙を舐め取り、愛の言葉を囁く。 ゆっくりとした刺激がミハエルを更に煽り、ミハエルはそれに応えるように、静かに、静かに、幸せの涙を流した。 ランゲは中のうねりを感じ、角度を変えた。 ズヌヌ、チュプ、ズヌ…、グリ… 「あっ、ッ…、アアアッ!!」 思わず大きな声が上がって、ミハエルは咄嗟に唇を噛んだ。 「ミハエル、ここだね。」 ヌプヌプ、グウ…、、 「うっ、、…、うう…。」 「唇は噛んじゃいけない。感じて、もっと俺を感じてくれ。」 グヌヌ…、、ヌチュ…、グリ… 「ふ、アアアッ!あぐっ、、クッ、ウッ。」 「ああ、ミハエル、いいね、気持ちいいかい?」 ランゲが顔中にキスをしながら、腰を緩めた。 ミハエルはやっと満足に息をする。 「あっ、う…、気持ち、いい、ランゲ…ああ、ランゲ…。」 「それが俺だ、ミハエル、貴方は俺を感じてるんだ。」 ああ…、、これが、貴方なら…、、 グポ、グポ、ヌクヌクヌク…。 「ランゲ…、あ、あう…、、クッ、ウッ、ああ、感じる、貴方を、感じます、アアッ。」 「ミハエル、愛してる…、、もっと感じて。」 その声に、体の奥が切なく疼く。 「ランゲ…、貴方を、、感じ、る…、、アン、アッ、、アアア…。」 胸を転がされて、甘い声が漏れてしまった。 グプ、グプ、グプ、コリコリ…、、 「ああ、ああ、ラン、ゲ…、、ア、ダメ…、もう、…アッ。」 「ミハエル、愛してる…、愛してるんだ。」 ランゲが切なく掠れた声で言って、シコリと胸を擦り上げ始めた。 「あっ、あっ、、ダメ、アウ…ランゲ…、アッ、アッ。」 「ああ、可愛いミハエル、どうだい?俺を感じる?」 顔中に口付けながら、また腰を緩められる。 「ああ、あう、ランゲ…、ランゲ…、感じます…、、貴方を、とても…、、あっ、あっ、ダメ…、アア…。」 熱く、硬いペニスがミハエルのシコリを擦り上げ、時々腰をぐっと擦り付けるようにして、奥に入る。 「ミハエル…、どんな、気持ち?」 「ランゲ…とても、し、幸せ…。」 「ミハエル、ミハエル、俺をそんな風に感じてくれるなんて、幸せだ、ミハエル…。」 「あう、ランゲ…、あっ、あっ、し、幸せ…、貴方を、か、感じ…、あう、幸せ…。」 何度も何度も、腰を緩めてはランゲが問う。 ランゲ…、貴方を感じる…、、とても感じる…、。 もっと、もっと感じていたい…。 やがて、白い肌が上気し、腰がカクカクと揺れ止まらなくなってきた頃。 腰を緩めても、ミハエルの高い声が止まらなくなってきた。 ヌプ、ヌプ、グウウ… 「アッ、や、アアッ、ヒャアアッ!」 大きな波に飲まれるような感じが、ミハエルの体を震わせ始めた。 「もっと俺を感じて、ミハエル。」 「アッ、ダメ、くる…、アア…、アウ、くる…、ヤ、め…。」 ランゲがその様子を目を細めて見て、腰を早める。 「ミハエル、…ああ、いいね。ミハエル、愛してる、それは俺だよ、俺を受け入れて。」 グプ、グプ、グプ、グプ…グリッ! 「あっ、感じ、う、ランゲ…、やっ、、アウ…ウッ、ーー、ッアアアッ!!」 波はどんどん大きくなる。 そして…。 グポ、グポ、ズプ…ズググウ…、、 「アア、ダメ、ダメえ、、いく…、、いくっ、、アーー!!!」 「イケッ!」 ズパン!! 「ヒャアアアッ!!アアアアーーー、ッーー、アアッ、、クウウ…、、。」 「ミハエル、ああ、出さずに…、ああ。もっとだよ、ミハエル、イケッ、もっとイケッ!」 ズプ、ズプ、ズプ、ズプ、グパン!! 「アグッ、ウウウッ、、ッーーー、ーー、ッアアアア!!」 「ミハエル、ミハエル…、俺もいく…、、」 パンパンパンパン…グリグリ… 「アアッアアッ、や、、ア、アアッ、アアアーー!!」 ジュプ、グチュ、ジュボジュボジュボジュボ、ズパン!! 「ああ、ミハエル!ッーー、ーーああっーー、イケッ!」 「ヒッ…、、アッ、ーー、カハッ、、ーーー、ッーー、、…。」 「ミハエル…、はあ、はあ、ミハエル…、俺を感じて…。」 「アッ、アッアア、…、、ッ、ラン、ゲ…、アッン…ンン…ウン…。」 「ミハエル、愛してる、愛してる。どんな俺でも、貴方を、愛してる。」 その夜、どれほど抱き合ったか分からない。 何度も何度も愛し合い、見つめ合う瞳からの嬉し涙を舐め取られ、結合するようにぴったりと重なり、口付けを深くしていく。 水音を立たせながらランゲが腰を深くすれば、ミハエルは足を絡め、汗でぬめる背中をキツく抱き締めた。 「ミハエル、忘れないで。どんな俺でも、貴方を愛してる。」 ランゲは何度も何度も言っていた。 気が付くと、いつものようにランゲに後ろから抱かれていた。 ああ…、、罪を犯してしまった。 耳の中でドクドクと血が流れる音がする。 でも、貴方となら…。 体が甘く疼く。 「ミハエル…。」 「…ランゲ…。」 なんていう…、、幸せ。 「ミハエル、愛してる。どんな俺でも、お前を愛してる。」 「ランゲ…、ふふ、私も、愛してる…。」 ドクンと心臓が跳ねたのは、抱き締められながら胸と下肢を撫でられ、甘い疼きを体が思い出したからだ。 ……?、、腕…が……。 「ミハエル、…、、愛してる。」 体に乗り上げるようにして口付けたのは、紛れもなくランゲ。 だが、その腕は六本あり、黒い瞳の中に金の瞳孔があった。

ともだちにシェアしよう!