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第25話

先日、港の人達が、何やら分からぬ物を祓い、海を救った英雄だと、こぞって入信し寄付をしてくれた。 「真実は違うのに、こんなに…。ランゲ、どうしよう。」 「ミハエル、これを貴方は自分の為に使うの?豪華な服を着て、立派な別荘を建て、高価な物を食べるのかな?違うだろう?」 「ええ、まあそうですけど…。」 「麦を買おう。貧しい人達にゴミを拾って貰って、代わりにパンとスープをお腹いっぱい食べさせてあげよう。」 「ランゲ、それはいい考えだ。街も綺麗になるし、皆喜ぶね。」 「ミハエル…、、ミハエル、もういいだろう。」 ランゲがミハエルを抱きしめた。 「ッ、…もう、貴方は…。」 耳を喰まれ、早速兆したペニスを揉まれる。 「日中は我慢しただろう?」 「でも、ずっと魔素が送り込まれてましたけど。」 ランゲは、教会に戻ってきた。 信者も多くなったし、ミハエル師の祓除の術を学びたいと言う理由らしい。 いつでも人がいなければ抱き締められるし、口付けして来るから、それをそれ以上進まないように止めて、仕事をする。 ジンジンと疼くペニスと乳首と後口を抱えて仕事をするものだから、間違いが多くなってしまうのは仕方がない。 「ミハエル、ここ、間違っていたよ。ああ、こんなに濡らして、いいよ、浄化をかけてあげる。」 ぬるりと濡れた後口を撫でられながら、浄化を掛けて貰うのは既に日課だ。 「さあお昼だ。次は3時に掛けよう。いや、1時間毎がいいかな?街を掃除している時は、貴方はそこを濡らしながら歩くんだね。」 何かを想像してニヤニヤと鼻の下を伸ばしているランゲからは、あの鬼神の姿は想像が付かない。 でも…、 「仕方ないさ、愛してるんだ。ミハエル…、仕方ないんだよ。」 腕が増え、体が大きくなっていく。 「あっ、、もう、ベッドまで…、あっ、ダメ…、服を…。」 「ハァ、ハァ、待てない。ミハエル、ミハエル…。」 「あんっ、あ、ああ、ラ、ンゲ、、ん…うん…ん。」 「ミハエル…、さあ、今日は月が綺麗だね。あの岩の上に行こう。」 「ランゲ…、、もう…。」 毎晩、2人は存分に愛し合う。 ベッドはもちろん、海の上の岩場で、屋根の上で、森の中、海の中、山の岩場でも。 風が、風車を回し雨を降らせ海を流すから、魚は豊漁だし作物もよく実った。 ある日、朝焼けの中、岩場で寄り添う2人の姿を漁師が目撃して騒ぎになったものの…。 「悪い物では無いと思います。その証拠に、海は穏やかに流れ、風もよく吹きますが強すぎない。ここを守る者達のようです。神に感謝しましょう。」 2人の仲睦まじい姿を見た翌日は特に豊漁だった事もあり、吉祥として捉えられたのは幸いだった。 「…それにしても、本当に貴方は馬鹿な人。魂の形が見えない人間にそんな姿を見せては、忌避されるに決まっています。」 「驚かせようと思ったんだ。お前なら俺が分かると思っていた。嬉しくて嬉しくて、記憶がない事も、魂が見えない事も頭に無かった。 ああ、それと、俺は愛している者に愛された時、この姿になってしまう呪いをかけられた。どうすればいい。」 「そう、だったのですか。だからあのタイミングで…。その悪魔は何処へ?」 「さあ、分からん。俺の半分の魂は悪魔に売ってしまったが、もう感じられない。」 「そんな事だろうと思った。大方あちらに売られたのでしょう。 それにしても、そんな角や牙まで生やして、…あの時私は本当に貴方が恐ろしかったんです。」 「いや、俺も知らないうちに…。どうすればいいのかも分からん。」 「何か方法を試してみましょう。」 「アウナミ…、俺は元に戻るだろうか。」 「戻らない事で、何か問題が?」 「お前を怖がらせた。」 「はあ…、まあ、それでも私は貴方を愛していたんです。嫉妬に狂って馬鹿だと分かってはいても止められなくて、とても苦しかった。 そうだね、記憶がなくなるというのは、もう…いやだ。私の嵐華、もう忘れたくない。」 「ああ、絶対に離さん。俺が絶対に守ってやる、晤永海。」 「ここでは真名はあまり、また捕まってしまうかもしれない。」 「ああ、すまん、ミハエル…。ところで、あの時何故攫われた。」 「貴方が…、重体だと聞いて、あの結界を出てしまった。いても立ってもいられなかったんです。ごめんなさい。」 「いいんだ。神の兵ではなくなれば、戦う事も無い。今度こそ、お前の側に居られる。お前を閉じ込める必要も無い。」 「ランゲ…、私は、あの時も、あれからもずっと貴方を待っていました。私は待つ事しかできなくて、なのに、貴方の元に行こうとした途端にあんな…。」 「ミハエル、もういい。海は流れ始めたし、お前は記憶を取り戻した。」 「でも、ひとつ問題が…。私には神体が無い。この体はいずれ朽ちてしまう。そうしたら、私はまた記憶を…。」 「悪魔は血で契約をするらしい。その血がお前にも入ったから、余程の事が無い限りお前は死なない。」 「ああ、だから、私は闇の中で目が覚めたのか。」 「どういう事だ。」 「多分、あのまま海の底に沈んでいたら流石に私は死んでいたかも知れない。が、闇は悪魔の力だ。だから闇に包まれた時、私は強くなったんだ。 ランゲ…、、貴方が私を助けてくれた。」 「…ッ、、俺は…、ミハエル…。」 「ふふ、神界一の武神が、泣き虫になったものだね。」 「お前を、…お前が…、、うっ、、。」 、、…ただいま、嵐華。  

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