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入院棟

「えーと…びっくりしたよね?嫌なものを見せてしまってごめんなさい、江東さん。ああいうのはあまりないことなんだけどちょうどタイミングが…」 榊は睦月の元に戻り謝った。 睦月はまだ知らない自分のヒートに怯えた 「ヒートって…あんなんなっちゃうの?」 「個人差はあります。さっきの子はちょっとコントロール不足で…あ、でもそのための保護室があるから安心していいです。そのために自分たちがいて自分たちがサポートしますから。さて病室に案内します」 「そ…ですか。えと、はい。お願いします」 ステーションから出て2人は歩きだすと病室に向かった 「夜間はおんなのことおとこのこのフロアは一応扉で分けられるし、向こうの反対側の棟にあるαβの入院棟もカードキーがいるからその点も安心していいよ」 「分かりました」 「で、ここがここが部屋ね。あとでいろいろお話し聞きにくるけどそれまでは自由に過ごしていていいですよ」 榊が消えると睦月は窓のさんに手をかけ外を眺めた。 最上階なだけあってめちゃくちゃ景色がいい。夜は夜景が綺麗なんだろうなぁ。 でも、睦月の心は晴れずため息をついた。 「怖いなぁ。でも、大人になりたい」 目を瞑り睦月は将来に思いをはせた。

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