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優しい康生先生

診察室の中に入ると香るヒノキのような匂い…なんだろうちょっと落ち着く 「どうしたの?」 「なんかヒノキ…みたいな香り?」 「正解。セドロールっていう精油だよ。知ってるかな?」 「はじめて知りました」 「この香り好き?」 「はい」 「よかった」 康生は話しながら、白衣を脱ぎハンガーにかけるとソファに座った 「あ…」 残念そうに声をあげる幸成に康生は首を傾げ 「どうしたの?」 「え…えと…白衣、かっこよかったからもうちょっと見てたかったな…って」 「嬉しいことを言ってくれるね?便宜上(べんぎじょう)Sub dropの相談ってことにしておいたんだけど…もし嫌だったらごめんね?」 「大丈夫です。その、実は嘘…じゃないし」 「そうか…やっぱりトラウマがあるのかな? おいで」 おいでと優しく声をかけられたが幸成は固まったまま動けず、立ち尽くしていた 「あれ?恥ずかしいのかな」 「だ、だって…」 「come(おいで)」 突然出されたコマンドに反応し、幸成は康生の近くへと歩いた 康生は幸成の両手のそれぞれと握手し 「good boy(よくできました)」 幸成を褒めると、幸成は照れて顔を背けた 恥ずかしい…でも、すごく幸せな気分 「あれ?背けちゃう?look(見て)」 恥ずかしくて見れないのに康生から出されたコマンドで幸成は康生を見た もっと…もっとほしい。もっと褒めて 「good(いい子)ごめんね?勝手にコマンド使って」 「康生さんなら…大丈夫。もっとください」 幸成は康生にコマンドをねだった

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