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ゴム

康生は引き出しからゴムの箱を取り出してゴムを手に取り、封を開けると中身をつまみ手早く自身の陰茎に装着した。 「いいよ。これで準備できた。上手に待てたね、幸成くん」 「…ゴム?」 「うん、そうだよ」 「ぼく、汚い?」 「え?何を言って…」 「ゴム越しじゃないと抱けないくらいけがれちゃったかな」 「ちょ、ちょっと待って。幸成くん何を言っているの?そういうつもりでつけたんじゃないよ」 「なんで?龍牙はおまえが好きだからゴムなんかつけないって言ってた。愛してる人間なのにゴム越しなんておかしいって」 「幸成くん…それは一方的な価値観を押し付けられてしまったね。本当にクズだな、そいつ」 「え…?」 「逆だよ。好きだから、愛してるからお互いに病気をうつしあわないようにゴムをつけるんだ。ゴム無しでしてみたい気持ちが無いわけじゃないけど、後悔しても遅いからね」 「ゴム…ついてて、ちゃんと康生さんを感じられるかな。つけてしたことないから心配…。気持ちよくなかったらごめんなさい、康生さん」 「思ったより深いな…幸成くんの心のキズ。少しずつ治そうね」 「うん」 康生は微笑みながら幸成の頭を撫で、幸成もつられて笑った。

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