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――あれから約8カ月が過ぎ、もう10月も半ば。すっかり秋めいて、街路樹にチラホラとイルミネーションが飾られ始める季節になった。 透は、親友の加治彰と共に夜の街へと繰り出し、居酒屋でビールジョッキ片手に焼き鳥に噛り付いていた。 「あー、やっぱ仕事後の一杯は最高だなぁ!」 ゴクゴクと喉を鳴らしながら、透は美味しそうに生ビールを飲み干していく。 今日は金曜日の夜という事もあり、店内は大勢の客で賑わっている。カウンター席に座っている透達の隣では若いカップルが何組か楽しげに語らっており、テーブルを挟んで向かい合うようにして座る女性陣達は合コンの最中なのか、何とも言えない盛り上がりを見せていた。 「おいおい、あんま飲みすぎるなよ? お前、酒癖悪いんだから」 「大丈夫だって。ビール1杯くらいじゃ酔わねぇってば。それに、酔いつぶれたってアキラが送ってってくれんだろ?」 「潰れる前提じゃねぇか。お前、いつか絶対痛い目見るぞ……」 呆れ気味に溜息をつくアキラに、透はククッと小さく喉で笑った。 「ハハッ、忠告は嬉しいけど。流石にお前を襲ったりはしねぇから大丈夫だ」 そう言って笑いながら、焼き鳥の串に手を伸ばす。 透にとって、高校時代からの付き合いであるこの友人は唯一無二の存在だった。大学に入ってからもずっと一緒に居たし、就職先も同じ。こうして時々2人で飲んでいるが、飽きる事はない。 「気持ち悪い冗談はよせ。オレはハル以外に勃たねぇし、他の野郎とか無理だから」 「ブフォッ、イケメンがさらりと爆弾級の惚気を投下して来やがった。相変わらずラブラブみたいで羨ましいなぁ。つか、俺だって勃たねぇよ。俺はノーマルだっつーの!」 アキラが同性の、しかも教え子の事が好きだと言い出した時には目が飛び出るほど驚いたものだ。色々あったが和樹と共謀して二人をくっつけてやったのが2年前。今では恋人同士になり、卒業後は一緒に住む約束までしていると言うから驚きだ。 「ふぅん、ノーマルねぇ? ……そういや、あれから和樹とどうなった?」 ニヤリと口角を上げながら顔を覗き込まれ、透はうっかり口に咥えていた鶏肉を喉に詰まらせそうになった。

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