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和樹Side 4
「和樹じゃないか。こんな時間に何してるんだ?」
「あー、えっと……ちょっと息抜き、です。センセー達は飲み会の帰りっすか?」
動揺を押し隠そうと努めて冷静に質問すると、「まぁなー」と言ってアキラは苦笑を浮かべた。
「マッスーってお酒弱いんだ。ちょっと意外だな……」
正直、こんな状態の彼を見るのは初めてで、かなり驚いている。
「ああ、いや。コイツの名誉の為に言っておくが、弱いって程じゃないぞ。ちょっと今夜は飲みすぎたってだけで」
「ふぅん?」
透が酔い潰れるなんて、どれだけ飲んだんだろう?
「コイツ、職場の飲み会とかは潰れないくせに俺と行くといっつもこうなるんだよ」
「それって、マッスーがアキラセンセーの事それだけ信頼してるって事じゃ無い? ちょっと羨ましいな」
「はは……どうだかなぁ。単に酒癖が悪いだけだと思うけど。ほら、透、しっかり歩けってば」
苦笑しつつ、二、三歩進んだところでアキラがピタリと足を止め、和樹の方に向き直る。
「そうだ。お前ちょっとコイツ運ぶの手伝えよ」
「えっ!? 俺が??」
「コイツん家この近所なんだけど、筋肉質だから重くってさ……。大好きな透センセーの家、行ってみたく無いか?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら、小首を傾げてそんな事を言われて、思わずごくりと喉が鳴る。
透の私生活が詰まった家……。そんな所、想像するだけでもドキドキしてしまう。
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