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頭痛の種 2

「お前、なんかまた身長伸びてないか?」 入学当初は160㎝前半だったはずの和樹が急成長しているとは感じていた。 だが、改めて見ると隣の雪哉とほぼ変わらない位にまで伸びている気がする。 「へへっ、なんとこの間計ったら180㎝越えてたんだ。まだまだ伸びるから卒業する頃にはマッスー越えちゃうかもなぁ」 Vサインを突き出してくる和樹を見て、透は思わず苦笑した。 「お前のそのタケノコみたいな伸び方は異常だろ」 「ふふん、成長期だし?」 成長期にしたって伸びすぎだろう。それに、以前は幼さの残る可愛らしい顔立ちをしていたのに、いつの間にか男らしさが滲み出てきたような気もする。 ドヤ顔されるのが何となく腹立たしくて、隣に座る和樹のわき腹に肘鉄を喰わらせてやる。 「っ、てぇ~……っ生徒に暴力奮っちゃまずいんじゃねぇの?」 「いいんだよ、お前にしかしないから」 「はぁ!? 何それ」 面食らって口元に手を当て、じわじわと首から赤くなっていく和樹を無視して、透は再びうどんをズルッとすする。 「早く食えよ。親子丼冷めちまうだろ?」 「~~っ、マッスー突然のデレ止めてくんない? 心臓に悪い」 「あ? 何言ってんだ」 「無自覚かよ! ほんっとアンタ天然の人タラシだな……」 全く、何を言い出すのかと呆れていると和樹の横からくすっと笑う声が聞こえて来る。 「二人とも、ほんっと仲いいよね」 見れば雪哉が可笑しそうに肩を震わせて笑っていた。 「そこ、笑う所じゃないだろ」 むすっとして睨みつけるも、雪哉は全く意にも介さず、笑いすぎて涙目になった瞳を指先で拭いながらすみませんと謝ってきた。 いや、謝られても困るのだが。取り敢えず、雪哉は見た感じ怪我の後遺症もなさそうだ。最後の試合に出れずに落ち込んでいたらどうしようかと思っていたが思っていたよりも落ち着いているようで安心する。

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