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遊園地に行こう2

「じゃーん! 見てみて! マッスー!」 ずらりと広げられたテストの答案用紙を前に和樹が得意気に笑みを浮かべた。 数学・化学は80点以上。英語は90点以上。その他も軒並み70点以上で、特に国語の点数が良かった。 「へっへー。どうよ、見直した? 俺だってやれば出来るんだぜ」 鼻高々と言った様子の和樹に苦笑し、思いっきりその鼻をぎゅむっと摘まんでやる。 「いっっ! ちょぉ、何す――」 「いいぜ」 「んへ?」 涙目で自分の鼻を摩りながら和樹が間の抜けたような声を上げた。そんな顔に思わず吹き出しそうになりながら、透は口を開いた。 「遊園地、だっけ? 次の日曜……特別に予定を空けといてやる」 「ま、マジで!?」 「嫌なら別にいいんだ」 「嫌なわけないっしょ! マジかぁ~」 パッと表情を輝かせ、嬉しそうに頬を緩ませる姿を見ていると、何だかこっちまで嬉しくなってくる。 遊園地に付き合ってやるくらいで、ここまで喜んでくれるのならば安いものだ。 「やった! ありがとう、マッスー。大好き!!」 「うおっ!?」 ガバッと抱き着かれ、バランスを崩しそうになるのをなんとか堪えて慌てて肩を掴んで引き離した。 「離れろバカ! 危ないだろうが」 ぺしっと軽く額を叩いてやると、和樹が不服そうに唇を尖らせた。 和樹は表情がクルクル変わる。見ていて面白いが過度なスキンシップはちょっと困る。 「ちぇ。ねぇマッスー。そろそろ俺の気持ちに応えてくれてもいいんじゃねぇの?」 「ハイハイ。応えてやってるだろ? デートしてやるんだからそれ以上の高望みすんな」 本当にこいつは距離感がおかしい。隙あらばこうして抱き着くし、毎回毎回、好きだとか愛してるとか薄っぺらい愛の言葉を囁いて来る。 本気なのか冗談なのか、透には未だに判断がつかない。

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