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遊園地に行こう 5

なんだろう……あの異様な光景は。 (何やってるんだ、アイツら……) 本人たちは隠れているつもりなのだろうが、アキラの図体がデカすぎるせいで全く隠せていない。 しかもあの目立つ容姿で、あの変装。逆に目立ってしまっている。 アキラの事だ。絶対に面白がって付いてきたに違いない。 「ん? どうかした? マッスー」 「いや……。何でもない」 和樹はどうやら気付いていないらしい。バレたら面倒くさい事になりそうだと悟り、半ば強引に和樹の肩を引き寄せ連中の視線から遮った。 「……っ」 ビクッと身体を震わせ、透の腕の中で和樹が息を呑むのがわかった。 なんだか抱きしめるような形になってしまったが、これは不可抗力だ。 「マッスー……いきなり大胆だね」 「はっ!? い、いや、違うから!」 一体何が違うと言うのか。自分でもよくわからないまま慌てて否定すると、和樹はクスリと笑って肩を揺らし、そのまま透にもたれかかって来た。 どうしよう。なんだか可笑しなことになってしまった。 和樹は満更でもないのか嬉しそうな笑みを浮かべてこちらを見上げてくるし、今更離れるのも変だ。かと言ってこのまま密着しているのもなんだか気まずい。チラリと横目で連中の様子を確認すると、主にアキラが相変わらず楽しそうにニヤニヤとした笑みを浮かべてこちらの様子を伺っている。 目的地までは少し距離がある。あの集団は恐らく遊園地迄ついて来るつもりなのだろう。 別にやましいことなど何もないが好奇の目に晒されるのは好きではない。 (全く、暇人かよ) 出歯亀なんて悪趣味だ。着いたら速攻で捲いてやる。心の中でそう毒づきながら、透はそっと溜息を零した。

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