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遊園地に行こう 6

「――走るぞ」 「へっ、えっ!?」 遊園地に着くなり和樹の腕を引いた。電車の中ではわからなかったが、どうやら雪哉の恋人の橘も一緒に居たらしい。 190㎝近くの顔のいい男が3人も居れば嫌でも目立つ。 「あっ、逃げたぞ!」 「えっ、うそ! 気付かれてた!?」 後方から聞こえる声を無視して走り続ける。 後ろからバタバタという足音が聞こえたが無視を決め込んだ。 暫く走って、漸く足を止めた頃にはすっかり息が上がってしまっていた。 こんなに走ったのは久しぶりだ。 透は膝に手を当て、大きく息を吸い込んでから呼吸を整えた。 「マッスーいきなりどうしたんだよ。いま、拓海の声が聞こえた気がしたんだけど……」 一方の和樹は息一つ乱さず、不思議そうに首を傾げた。 「気のせいだろ」 「そうかなぁ?」 「それとも何か? 俺と過ごすよりいつメンで過ごす方がいいって?」 意地の悪い聞き方をしてやれば、和樹がブルブルと首を振った。 「せっかく来たんだ。今日は二人で楽しもうぜ」 「わ……っ」 頭のキャップをわざとずらして被せてやり、ニッと口角を上げて見せると、和樹の顔が一気に赤く染まった。 和樹の反応がいちいち可愛い。そんな反応を見せられるとついからかいたくなってしまう。 透は思わず口元を緩め、帽子ごと和樹の頭をガシガシと撫で回してやった。 「じゃ、そろそろ行こうぜ? まずは何処にする?」 「んー? じゃぁ……お化け屋敷」 「え……いきなりかよ」 てっきり近場にあるジェットコースターにするものだと思っていたのに、まさかのホラー系。 透は思わず苦笑いを浮かべ、頬を引き攣らせた。

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