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遊園地に行こう 7

「なになに? もしかして、マッスー怖いの苦手なわけ?」 和樹が悪戯っぽい表情を浮かべて覗き込んでくる。 「は、はぁ!? 馬鹿言え、んなわけ無いだろうが!」 図星を突かれて思わず声がひっくり返ってしまった。 しまった。と思った時には既に遅し。 これでは肯定してしまったようなものだ。案の定、和樹がにんまりと笑みを浮かべてこちらを見つめてきた。 「ふぅん、苦手なんだぁ」 「な、……っ五月蠅いな。別にいいだろっ」 揶揄われるのは何となく悔しくて思わずプイっと顔を背けた。和樹が隣で小さく吹き出す気配がする。 「フハッ、大丈夫だよ。俺が付いてるし! ほら、行こ」 半ば強引に腕を掴まれ、引きずられるようにして歩き出す。 「なんだよ、結局一発目はお化け屋敷なのか……」 「とーぜんっしょ。怖がってるマッスー見たいし」 「……悪趣味かよ」 これは完全に遊ばれてる。まぁ、和樹が楽しいならそれでいいか。と透は諦めたように苦笑いを浮かべ、和樹の後を追った。 病院をモチーフにしたその施設は、薄暗く、静かで入る前から既に不気味な雰囲気が漂っていた。 所々に置かれた観葉植物が不気味さを際立たせている。 「大丈夫だよ。マッスー。怖かったら俺に掴まってていいから」 「……っ、い、いや流石にそれは……っヒィッ」 必要ないと言おうとした瞬間、真横からひやりとした空気が首筋を撫で、びくっとして咄嗟に和樹の腕に縋り付いてしまった。 周囲に人が居なくて良かった。こんな姿アキラに見られたら5年はそのネタでからかわれる。 「かわ……っ」 「いや、可愛くは無いだろ」 自分みたいなオッサンに抱きつかれて頬を僅かに染めているコイツは本気でおかしい。自分の何処が可愛い要素があるのかさっぱりわからない。 和樹はそれ以上何も言わず、透の肩を抱き寄せて歩いた。最初は少し戸惑ったがそれがあまりにも自然な動きだったので、透はそのまま身を任せる事にした。 時々背後から、「うわぁ!」 だとか「うぉお!」だとか情けない悲鳴が聞こえて来る。 「あはは、マッスーよりビビりの人がいるみたいだね。って言うかすげぇ声。ウケる」 (あの声……絶対アキラと雪哉だろ……) 透は内心溜息を吐きつつ、この恐怖体験が早く終わることを願った。

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