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お見舞い2
学校が終わると、透は家庭調査票に書かれた住所を頼りに和樹の自宅へと向かった。
自分の家からそう遠くない位置に彼の家がある事には少々驚いたが、どうりで何度か自宅近くの公園で見掛けるはずだと妙に納得がいった。
時刻は夕方17時を指してる。この時間ならもしかしたら和樹以外の家族が家にいるかもしれない。
もし、人が出てきたら、今の和樹の状態だけ聞いて、プリントを渡してさっさと帰ろう。
少し緊張した面持ちで、インターフォンを押す。
ところが、暫く待っても応答がない。もしかして、誰もいない? もう一度押してみようと指を伸ばしかけたその時。
「マッスー……?」
ハッとして声の方を振り向くと、自分の背後に和樹が立っていた。ジャージにダウンジャケットを羽織っただけのラフな格好だ。
だが足元がふらついているようで、立っているのも億劫そうに、塀に手を突いて苦しそうに息を吐いた。
やや乱れた前髪と、苦し気に顰められた眉がなんだか艶っぽく見えてドキリとする。
「お、おい。大丈夫か?」
慌てて近付き、支えようとしてその熱さに目を丸くした。和樹は不思議そうな顔で、
「……平気。って言うかマッスーなんでいるの?」
熱のせいか声が掠れて弱々しい。
「いや……、学校からのプリントを持ってきただけだ。数日以内に必要な書類がいくつかあって」
「あぁ。なんだ」
「それよりお前こそ何やってるんだ。そんな辛そうなのに出歩くなんて、馬鹿かよ」
「ふはっ、ひっでー。病人に馬鹿とか、マッスー酷くない? 家に何も食うもんが無くってさ……近くのコンビニまで行ってきたとこ」
ふら付きながら、玄関を開ける和樹を慌てて支える。
こんなに具合が悪いのなら、事前に何か必要なものが無いか連絡の一つでも入れておけばよかった。
この状態の和樹を一人にしとくわけにもいかず、取り敢えず和樹の部屋まで支えて連れて行ってベッドに寝かせた。
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