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揺れる思い 透SIDE 3
ギュウと強く抱きしめられて呼吸が止まる。驚きに目を丸くして固まっている透を余所に、和樹は更に力を込めて透を抱き寄せた。
「ちょ、おまっ何やって」
「……俺にしときなよ」
「はぁ?」
グッと肩を押されバランスを崩してベッドに倒れ込む。
その上に覆いかぶさるようにして和樹が伸し掛ってきた。
和樹の体重を受けてギシッとベッドが軋む。その音と、目の前に迫る端正な顔に心臓が跳ね上がった。
「そんな浮気女なんか忘れて、俺だけ見てよ」
「ちょっ! お、おいっ!」
和樹の顔が近づいてきて慌ててその押し返えそうとするがベッドに縫い付けられた手を押さえ込む力が思いのほか強くてビクともしない。
「待てって! おい、和樹っ!」
焦りを含んだ声を上げると、和樹はピタリと動きを止めてジッと透を見下ろしてくる。
「俺なら絶対にこんな顔させないのに……」
ポツリと呟かれた声は何処か切なげで、思わずドキリとし反応が遅れた。
その隙を逃さず、和樹は透の唇に自分のそれを押し付けてきた。
咄嵯に歯を食いしばって侵入を拒もうとするが、和樹は強引に舌を差し入れてくる。
歯列を割られヌルリとした感触が口腔内をぐるりと舐め回した。
逃げ惑う透の舌を捕まえると、まるで生き物のように絡みついてくる。
「ん……っ」
和樹の食いつくような激しいキスに呼吸がままならない。息苦しくなって唇を離そうと首を振っても追いかけて来て、また、深く重なる。
透の舌を強く吸い、和樹は自分のそれと絡め合わせた。何度も角度を変えては貪るように求められ、何故だか気分が高揚していくのを感じた。
このままではいけないと頭ではわかっているのに、もっと触れていたいと言う欲が湧き上がってくる。
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