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我慢できない 2
こんな事をこんな場所でしてはいけない事はわかっている。こんな疚しい感情を抱いてはいけない事も。
それでも、一度走り出した欲望を止める事は出来なかった。
和樹の熱を帯びた目や、触れ合った唇の感触、抱き寄せられた時の力強い腕や鼻腔を擽る柔軟剤の香り、思い出せば思いだす程に身体が火照り扱くスピードが早くなる。
「んっ、ぁ……っ、かず……っ」
思わず名前を口走りそうになり、透は慌てて手の平で口元を押さえつけた。
『いやらしいねマッスー。学校にいるのに……そんなに俺とのキスが良かったの?』
耳元で色気を帯びた声が囁く。
「っ、ん……っ」
違う。そう否定しようとしても、声にならない。頭の中では和樹の声がリフレインし、透の思考を奪っていく。
「ぅ、くっ……っ」
頭の中に和樹を思い浮かべながら、透は夢中で性器を擦り上げた。
和樹のゴツゴツと骨ばった大きな手が透のモノを包み込み、徐々に追い上げていく。
「んん……っ、は、やべ……っ」
絶頂が近いのか、腰が勝手に揺れてしまう。
「んぅ……っ、ふ……っ」
迫りくる射精感に抗うことは出来ずに、透はグッと下腹部に力を込めた。
「んっ、んん……っ、ふぁ……ッあっ、くっ」
体に溜まっていた熱が一気に噴き出しビクビクっと腰が痙攣する。
「はぁ……はぁ……っ馬鹿か、俺は……」
肩で息をしながら、透はぼんやりと天井を見上げた。
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