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我慢できない 3
「透、大丈夫か? この間からボーっとして」
隣に座るアキラに声を掛けられて、ハッとする。
昼休み。食堂で一緒に昼食を取っていた筈だが、気が付けば物思いに耽ってしまっていたらしい。
和樹とのことを考えていたなんて口が裂けても言えないので、透は慌てて笑顔を張り付かせ取り繕った。
「ア、ハハッ、悪い、ちょっと考え事してて……」
「ふぅん、考え事、ね? 須藤の事か? それとも、アッチ……かな?」
アキラが顎で指す先には、いつもの仲良し三人組がちょうどトレイを持って空いている席を探し回っているところだった。
「……ッ、な、何言って……っ」
慌てて否定しようとしたが、アキラはニヤリと笑って透の肩をポンと叩く。
「和樹と何処までヤったんだ?」
「っ、あのなぁ……ヤるとか言うな。此処、学校だぞ」
「相変わらずお堅いねぇ。でも、最近妙にエロいんだよお前。物思いに耽ってやらしい吐息洩らしたり? 今も赤い顔して目元潤んでんぞ」
「なっ、はぁ!? んなわけ……っ、つか、いやらしいってなんだ!?」
「なんだ、無自覚なのか」
ショックだった。傍から見てそんな顔をしていただなんて信じたくない。
まぁ確かに、最近は四六時中気付けば考えてしまっているし、今日だって……。
午前中の出来事を思い出して、ぶわっと体温が上昇するのがわかった。
どうしても思い出してしまって、ここ数日は確かに一人で抜く回数が普段より多いのは自覚していたけど!
まさか、そんな顔に出ていたとは……。
「まぁまぁ、そんなに気にするなって。男なら誰だってムラっとくるもんだろ? 健全な証拠だよ」
「いや、だから俺は別に……っ」
「あれ、マッスーじゃん。アキラセンセーも!」
「……」
噂をすればなんとやらで、件の人物がニコニコしながら近寄って来た。
透はギクリとして咄嵯に表情を引き締める。心臓がバクバクと激しく脈打っているがそれを他の生徒達に悟られるわけにはいかない。
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