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嫉妬とすれ違い

シャワーを浴びてさっぱりし、リビングに戻るとスマホに着信が来ていることに気が付いた。一体誰だ? こんな朝っぱらから。 何気なく画面を見てみるとそこには奏多の名前が表示されている。 どうしても相談したいことがあるから、夜にでも会えないかと言う内容で、透はスマホを開いたことを激しく後悔した。 今更自分に何の用があると言うのだろう? そう言えば、この間も同じような事を言っていたような……。 あまり会いたくはないが、このまま無視し続けるのも後々面倒なことになりかねない。 仕方なく、OKとだけ短く返事をすると程なくしてメッセージが送られてきた。 今夜7時に駅前の居酒屋。 それだけ確認してスマホを閉じると透は小さく息を吐き、皆が起きてくる前に朝食でも作ってしまおうかと、適当にみそ汁の具材になりそうなものをかき集めキッチンに立つ。 「おはよ、マッスー。お腹すいた~」 昨夜の残りのカレーを温めながら、みそ汁の具材にする材料を切っていると、和樹が寝室からひょっこりと顔を出した。そして、寝ぐせだらけの頭を掻きながらゆっくりと此方に近づいて来る。 動揺を悟られないように平静を装って作業を続けていると、不意に背後から抱き締められて肩に和樹の顎が乗った。 「み、みそ汁作ってるんだ。ってか、近いよお前」 なるべく普段通りに振る舞おうと努めるが、昨日の今日だ。流石に少し声が上擦ってしまったかもしれない。 「違うし、美味そうなのはマッスー!」 「は?……っ」 腰に腕が絡みついてきて耳元で甘く囁かれ、思わずビクリと身体が震えた。 驚いて腕から逃れようとするよりも早く、和樹の長い指先が服の中に潜り込んでくる。

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