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嫉妬とすれ違い 7

それからみっちり夕方まで勉強を見てやり、解散となった。 「悪いな、今夜はちょっと野暮用があってさ」 「……そっか、用事があるのに遅くまで悪かったな」 アキラにそう言われて、グッと喉につかえている言葉を呑み込んだ。 本当はあまり行きたくない。出来ればアキラについて来てほしいと思ったけれど、和樹達が居るためこの話題には触られない。 この後、奏多と会うと思うと気が重くて仕方がなかった。 「マッスー、大丈夫? なんか、変じゃね?」 「ははっ、気のせいだろ」 和樹が心配そうな顔で覗き込んで来て、透は慌てて笑顔を作った。 なるべくいつも通りに振る舞っていたつもりだったが、和樹には何か感じるものがあったのかもしれない。  「ほら、あんま遅くなると親御さんが心配するだろ? また明日な」 誤魔化すように頭をくしゃくしゃっと撫でてやり、半ば強引に背中を押して玄関先へと追いやった。 「うん……また。学校で」 和樹は名残惜しそうにしながらも素直に玄関のドアノブに手をかけ、扉を開く。 そして、一度チラリとこちらに視線を向けてからアキラたちと共に出ていった。 エレベーターに3人が乗ったのを確認し、ゆっくりとドアを閉めてから大きく息を吐く。 正直、気は乗らないが奏多と約束した以上、会いに行かなければいけない。 出来れば、もう連絡をしてこないようにちゃんと言おう。中途半端な関係を続けていたら誤解を生みかねない。 だから、アイツとプライベートで会うのはどんな理由であれ今日が最後。 きちんとケジメを付けなければ。 そう堅く決意して透は重い足取りで家を出た。

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