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嫉妬とすれ違い 11
「マッスー今、なにかやらし―事考えてたっしょ?」
「は、はぁ!? んな事ないだろ」
咄嵯に否定したものの、動揺しまくっている自分がいる。
ダメだ、これは完全に不自然だ。
和樹はじっとこちらを見つめた後、ニッと悪戯っ子のように笑った。
透はしまったと思った。コイツはこういう時の勘だけは異様に鋭い。案の定、和樹はにんまりと笑いながら透の腕を掴んで歩き出した。
「お、おいちょ……ッ! 和樹何処行……ッ」
腕を振り払おうとしても、バスケで日々鍛えた腕はなかなか振り解けない。見た目は華奢に見えるのに、意外にも力が強過ぎる。
結局引き摺られるようにして連れていかれ校舎裏に差し掛かったところでいきなり壁に押し付けられた。背中が痛い。抗議しようと口を開きかけた瞬間、思い切り肩を押され壁に縫い付けられる。
衝撃に驚いて目を見開いていると、いつの間にか至近距離に迫った和樹の顔があった。
彼の息遣いが聞こえる程に近い。
「お、おいや、め……ッ!」
全てを言い終わる前に乱暴に唇を塞がれ、舌が割り込んできた。
逃げようとするも後頭部を押さえ付けられていて身動きが取れないのをいいことに、好き勝手に口内を蹂躙され、ゾクッとするような甘い痺れが身体中を巡る。
「んん……っ、ふ……んン……」
息継ぎの合間に漏れ出る自分のものとは思えない甘ったるい吐息が耳に届き、慌てて両手で和樹の胸を押して突っ撥ねた。
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