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一歩踏み出す勇気 3

心外だと言わんばかりの顔で抗議してくるが、人の家で堂々と盛ってたのは誰だとツッコミを入れたくなるのをグッと堪えた。 そうでなくてもアキラはモテる。 イケメンで、背が高く、スタイルも良いし、人当たりもいいので生徒達の人気も高い。 性格に難ありと言えばそれまでだが、そんなのは大したことではない。 「……渡瀬を手籠めにしてヤリまくってんじゃん」 「人聞きの悪いこと言うな。ハルだけだ。俺は、こう見えて結構一途なんだ……。それに、アイツ以外には勃たないしな」 しれっとそんな事を言うアキラに、透は聞きたくなかったと眉根を寄せた。 確かにアキラは浮気をするようなタイプではない。手に入れたいと思ったら、自分の立場なんて関係なく突っ走る奴だ。 その潔さは尊敬するが、自分には到底真似出来るものじゃない。 「……で? 透はどうしたいんだ?」 「ど、どうって……どうもしないさ。今回の件でアイツが少し頭を冷やしてくれたら正直助かるんだが……」 「なぁ、透。お前、和樹がマジで身体だけが目的だと思ってんのか?」 唐突な質問に、透は首を傾げた。 「何が言いたい」 「もしも、和樹が透の体だけが目当てだったとしたら、もうとっくにお前は食われてると思うけどな」 「……ッ」 その言葉に、透は思わず息を呑む。 「透には言ってなかったけど、俺、前にアイツに聞いたことがあるんだ。透の事何処を好きになったんだ? って」 「え?」 「あいつさぁ、お前のことになるとめっちゃ喋るのな。すっげぇウケる」 一体和樹はアキラに何を言ったのだろうか? 透が困惑しているのを知ってか知らずか、アキラは楽しそうに笑っている。

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