132 / 226
秘密の関係 和樹SIDE
和樹SIDE
夕方近くになり室内が薄暗くなり始めた頃、ようやく問題を解き終えた和樹は、うーんと伸びをしながらソファにちらりと視線をやった。
「たく……やっと終わったのに……」
そこには、ソファに寝そべりスヤスヤと気持ちよさそうに透が眠っている。
「まったく、気持ちよさそうだなぁ……」
和樹は呆れた声で呟くとそっと透の頬に触れてみた。
「……ん」
ぴくりと僅かに眉を動かしたものの、起きる気配は全くない。よほど疲れているのだろうか? 毎日遅くまでバスケ部顧問として生徒達を見てるんだし、朝も早いだろうし仕方のない事なのかもしれない。
でも、それにしたって、無防備すぎやしないか? それともわざと? どっちにしろ、据え膳食わぬは男の恥、って奴なんだろうか。
和樹はごくりと生唾を飲み込むと、透の頬に手を当てたままゆっくりと顔を近づけた。
「勉強終わってもお預けとか酷くね? ほら、マッスー……こんなとこで寝ると風邪ひいちゃうよ?」
耳元で囁いてみるが、透は微動だにせず規則正しい呼吸を繰り返すのみだ。
「……マッスー、起きないの?」
「……」
尋ねてみても返事はない。本当によく眠っているだけなのだろうか?
でも、一応確認はしたし……。起きない透が悪い。シャツがめくれてちらりと見える腹が妙に艶めかしくて、和樹はドキドキしながら透のシャツへと手を伸ばした。
ゆっくりとボタンを外し、前を寛げると綺麗に割れたシックスパックが現れる。惜しげもなく晒された肌があまりにも扇情的で、和樹はゴクリと息を呑んだ。
恐る恐る胸に手を伸ばす。程よい弾力が掌に伝わって来て心臓が早鐘を打ち始める。
胸の突起に触れるとくすぐったかったのか、透が小さく身じろぎをした。
あ、ヤバい……。止まらないかも。
ともだちにシェアしよう!