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楽しい夜は 6

「で? どうなのよ。実際」 パーティが始まって暫く経った頃、隣に座ったナオミに脇腹を小突かれて、透はうっかり口に入れていた唐揚げを喉に詰まらせそうになった。 ゴホゴホと咳き込みつつ水を飲み干し、ようやく落ち着いた所で恨めし気にナオミの方を見る。 「ど、どうって言われても……」 「アタシのアドバイスのお陰で上手く行ったんでしょう?」 「それは……まぁ……」 確かに、ナオミには散々相談に乗ってもらった。そのお蔭もあって、和樹との仲も進展はした。 だが、流石にそれを大っぴらにするのは憚られる。 何せ、透と和樹はまだ正式に付き合い始めたわけではない。 告白し合った訳ではないので、酷く曖昧で中途半端なまま、ズルズルと流され身体の関係に至ってしまったというのが正しいだろう。 一度許してしまったら最後、その先を求める和樹を拒み切れず、なし崩し的に受け入れてしまっているのが現状だ。 正直、こんな関係は良くないと思っている。 けれど、和樹に求められるとつい流されてしまう自分がいる。 「コイツ、昨日も泊まらせて朝まで寝かせてもらえなかったみたいだぜ」 「ちょ……っ、アキラ! おまっ、なに言って……!」 「ほぉ、一晩中ねぇ……」 「うふふ、若いわねぇ」 アキラの余計な一言で、ニヤニヤと揶揄する笑みを向けてくる面々に、透は思わず顔を覆った。 不幸中の幸いなのは、和樹と拓海は途中から参加した、元クラスメートで、現在はここの従業員でもある湊と楽しく盛り上がっているようで、こちらの話など耳に入っていない様子だという事だろうか。

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