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変化 10
アキラの話によれば、相川が手を出した女子生徒が身籠ってしまい、不審に思った両親が問い詰めて交際が発覚。相川を訴えると先日学校に直談判に来たそうだ。
彼は最近、自宅には一切戻って来ておらず学校で鉢合わせした奏多と大喧嘩。その後修羅場に発展した。と、つまりはそう言う事らしい。
『あの女も馬鹿だよなぁ。いくらカッとなったっつっても自分から二股掛けてたって暴露してさ。これから肩身の狭い思いするのは自分だろうに……』
「……」
なるほど、奏多から電話が掛かって来ていたのはそう言う事か。まぁ今更よりを戻そうと言われても、こっちからお断りするつもりでいるが。
二人とも自業自得と言えばそれまでだが、透には他人事とはとても思えなかった。
「それで、アキラは大丈夫なのか?」
『ん? なにが?』
キョトンとした声が返って来る。
「いや、だって……お前、とばっちりで渡瀬との関係がバレたりしたらマズいだろ。しばらく距離を置くとか……」
『必要ないだろ。そもそも、俺が付き合ってんのは校長も知ってるし、2か月もハルと離れるなんて無理だしな。だいたい、ハルをくだらない茶番に巻き込みたくない』
「あぁ……」
アキラはこういう奴だったと、思わず溜息にも似た声が漏れる。例え禁忌を犯しているとわかっていても堂々としていて潔い。
「お前は強いな」
素直にそう告げると、一瞬の間があってふっと笑う気配がした。
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