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変化11
『何言ってんだよ。俺自身は弱いよ。透が居なかったら、今のハルとの関係も無かったし……。理解してくれて、絶対に何があっても味方になってくれるお前が居てくれるから、強くいられるんだ』
「……そっか」
アキラの言葉を聞いてじんわりと胸の奥の方が温かくなる。そうか、俺はちゃんとコイツの力になれてたんだな。そう思うと嬉しかった。
『それに、俺はハル意外に失って怖い物なんてないしな……ハルに嫌われたら流石に立ち直れないかもしれないがそんな未来は絶対に来ないし』
「チッ、盛大に惚気やがって……」
聞いているこっちが恥ずかしくなるような事を平然と口にするアキラに思わず舌打ちする。
『はは、で? お前らはどーすんだ?』
「ど、どうって言われても……わからない」
『わからない。か……。そこは、俺たちはそんなんじゃ無い! とは言わないんだな」
揶揄うような口調で言われて、一瞬の間が出来た。
今更誤魔化したって無駄なのはわかっているけど、堂々と気持ちを口に出せるほど素直な性格ではない。
「……お前が羨ましいよ」
ぼそりと呟くと、アキラが電話越しに吹き出すのがわかった。
『透って意外と可愛いところあるよなぁ』
「うるさい」
クスクスと笑う声にイラついて通話を切ろうとすると、アキラが慌てて止めに入る。
『ちょっ、待てって! 悪かったって!』
「もう切るぞ」
『なんだよ。拗ねんなよ』
「拗ねて無い」
ぶっきらぼうに言い放つと、電話越しに失笑が聞こえてきた。
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