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変化 12

『あー、はいはい。そう言う事にしといてやるよ。 でもまぁ、お前の気持ちはわからなくも無いよ。本来なら生徒に手を出すのは禁忌だし?』 「……うっ」 耳が痛い。まさにアキラの言った通りだ。 アキラがレアケースなだけで、本来なら教師と生徒の関係は許されない。ましてや男同士など言語道断だ。 流されるままに此処まで来てしまったが、そろそろ潮時なのかもしれない。 けじめを付けなければいけない時が刻一刻と忍び寄って来ているような、そんな気がした。 電話を切ってスマホをその辺に放り投げ、ベッドにバフっと倒れ込む。 「……はぁ」 思わず洩れた溜息は、静かな室内に思ったよりも大きく響いて消えた。 これから自分はどうしたらいいのだろう? このまま和樹との関係を続けて行くのはきっとお互いの為に良くない。それは頭ではわかっているのだが、いざ行動に移すとなると尻込みしてしまう。 今までだって、何度もこの関係をやめようとは思っていた。 だが、和樹と一緒に居ると楽しかった。くだらない事で言い合ったり、ふざけあったりする時間が心地よかった。 最初こそ戸惑っていたものの、身体を合わせる事も今では抵抗が無くなってしまっている。むしろ、最近ではもっと触れ合いたいとさえ思うようになってしまっていたのだ。 「……こんなはずじゃなかったんだけどな」 自分の気持ちの変化に戸惑いながらも、透は静かに目を閉じた。だけどその日は、なかなか寝付くことが出来なかった。

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