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変化 13
それから数日、透は極力和樹との連絡は最小限に留め、新学期の準備で忙しいからと理由を付けて会う事を控えるようにしていた。
職場に行けば奏多がなんだかんだと理由を付けては近づいて来るが、あまり相手にしないようにしている。
今日も体育館裏の喫煙所に呼び出され、対峙することになってしまっていた。
「ねぇ、どうして無視するの!?」
「あのなぁ、寧ろなんで俺に着いてくるんだよ。俺はお前とはもう何も関係が無いだろ」
「酷くない? 元カノがこんなに困ってるのに」
「……自業自得だろ」
正直頭が痛い。こんな自己中女の何処に魅力を感じていたのか、付き合っていた当時の自分を殴ってやりたい。
「人前で俺との関係を匂わすような事を言うのは止めろ。お前が俺を捨てた時点で俺との関係はもう終わってるし、お前への気持ちなんてとうの昔に忘れたよ」
冷たく突き放すと、奏多は泣きそうな顔になった。
出た。都合が悪くなると直ぐに泣く。昔はそれも可愛いと思っていたが、心が冷めている今は苛立ちしか感じない。
「ごめんなさい。反省してる。もうあんなことしないから、お願い……私を見捨てないで」
涙目で上目遣いに見上げられて、透は深いため息を吐いた。
こういうところが嫌いなのだ。自分が被害者だと思っているから、どんな我がままも通せると思ってる。それに、自分に非があるなんて微塵も思ってない所も気に入らない。
和樹だったらこんな事絶対に言わないし、他に目移りなんてこともしなかったのに……と内心毒づく。
って、何を考えてるんだ自分は! なんで今、和樹の事を思い出したんだ。
「俺を見捨てたのはお前。それを忘れんな。あぁ、それと、多分もうお前じゃ勃たねぇわ、悪いけど」
「なっ!」
「……だからさ、もう二度と話しかけてくんな」
そう言って踵を返すと、背後からは悔しげな嗚咽が聞こえて来たが振り返る事無くその場を後にした。
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