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隠された真実
だが、このままズルズルと関係を続けるのはきっとお互いの為にならないし、下手をすれば彼の人生の足かせになってしまう可能性だってある。
そんなのは嫌だった。
「ま、何にせよちゃんと話し合えよ。中途半端が一番ダメなんだからな」
「わかってるよ」
アキラの忠告に、思わず苦笑いで応える。
確かにアキラの言う通りだ。中途半端に終わらせるのは一番良くない。一度きちんと話し合って区切りをつけなければ―――と透は心に誓った。
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***
とは言ったものの、なんと切り出していいのかわからず、迷っているうちに新学期になってしまった。
相川は表向きは事故に遭い入院しているという扱いになっていて、生徒達からは最初の方こそ戸惑いや心配の声が上がっていたものの次第に誰も気にしなくなり、今ではすっかり普段通りの日常に戻っている。
和樹とはなんだかんだ理由を付けて会わないようにしていたが、それもそろそろ限界に近付いてきていた。
「……はぁ……」
一体なにをやっているんだ。ちゃんと話をしようと決めた筈なのに結局は言い辛くて逃げてしまっている。
こんなんじゃだめだと思いながらも、踏ん切りがつかない。
「……マッスー。あのっ、ちょっと相談があるんだけど……いいかな?」
放課後、職員室前で女子生徒に呼び止められた。
明るい茶色の髪を高い位置で一つにくくった、メイクばっちりの可愛らしい女の子だ。
和樹と親し気に話をしている所を何度か目撃したことがある。
そんな彼女が自分に何の用だろう?
いつも明るい印象の彼女が珍しく神妙な顔をしているので何か深刻な悩みでもあるのだろうと思い、荷物を一旦自分のデスクへ置いてから誰もいない進路相談室へと案内した。
「で、逢沢。俺に相談って何?」
「えっと……その……」
部屋で二人きりになると、彼女は少し俯いて急にモジモジとし始めてしまった。この流れはもしかして――?
「マッスー……実は私……」
意を決した様子で顔を上げた彼女と目が合う。頬を赤く染め潤んだ瞳に思わずドキリとした。
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