185 / 226
隠された真実 3 和樹Side
和樹SIDE
最近、透の様子がおかしい。なんだか理由を付けては自分の事を避けようとしているように感じる。
避けられるような事をした覚えはないのだが、心当たりが全くないわけではない。
流石に冬休み中、ヤり過ぎた感があるし、がっつきすぎて引かれた可能性も無きにしも非ずだ。
もしそうならば非常にマズイ。流石に自重しよう。
そう思いながら、休み時間に何気にスマホを弄っていると透から一通のメッセージが入っていることに気付く。
たったそれだけの事なのに浮かれてしまう自分が何だか可笑しい。
ドキドキしながらメッセージを開くと、そこには『放課後、視聴覚室で待つ』と言う文字。
視聴覚室!? え? なに? マッスーってば学校でナニする気なの!?
「おぉっ!」
「わっ、なになに? びっくりした」
「あっ、悪い」
驚きのあまり大声を上げてしまい、隣の席に座っていた逢沢がビクッと身体を震わせた。
「何かいいことでもあった?」
「えっ!? なにもないって」
「ふぅん? その割に嬉しそうだね」
指摘されて、ドキッとする。そんな締まりのない顔をしていただろうか?
いやでも、コレはにやけるしかないだろ。
だって透の方から呼び出してくれるなんて初めてだし。視線を感じて顔を上げると、拓海と雪哉が揃って、呆れたような顔をしてこちらを見ていた。
久しぶりに透と話が出来る。そう思うと自然と頬が緩んでしまうのを抑えられない。
「……まぁ、いいけどさ」
「なに?」
「別に。なんでもないよ」
逢沢は肩をすくめて苦笑いを浮かべた。
ともだちにシェアしよう!