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隠された真実4 和樹side 2
「ねぇ、鷲野君。今日よかったら一緒にマジバでも――」
「悪い!今日はパス!」
放課後、LHRが終わるなり、挨拶もそこそこに教室を飛び出した。一刻も早く透に会いたくて、長い廊下を全速力で駆けていく。
途中、曲がり角を曲がり切れずに誰かとぶつかったが、そんな事に構っている暇はなかった。
「……ってぇなぁ。気を付け――って、和樹?」
「っ、アキラせんせ、ゴメン俺、急いでるから」
「たく、廊下は走るなよー。一応、注意はしたからな!」
後ろから聞こえて来るアキラの声に振り返らずに手だけ上げて応えると、再び走り出す。
すれ違う生徒たちが何事かと驚いた顔で見ているがそんなの知ったこっちゃない。
早く、速く、疾く、もっと速く――ッ!!
「はぁ、はぁ……」
透のいる視聴覚室に辿り着く頃にはすっかり息が上がっていた。呼吸を整えつつ、ゆっくりと扉を開けると、中には既に透の姿があった。
「あぁ、来たか」
顔を見るなり、透が神妙な顔つきになったのがわかった。
一体どうしたと言うのだろう? その顔を見て、自分にとってあまりいい話では無いのだろうなと直感的に悟った。
浮かれ切っていた気分がしぼんでいくのを感じながら呼吸を整えて、透と向かい合わせになるように座る。
「話って、なに?」
「あー……あっえーっと……色々と考えたんだが……」
「うん、なにを?」
透はなかなか話し出そうとしない。一体何だというのだろう?
「俺さ……お前とは一旦、距離を置こうと思ってるんだ」
「……は?」
距離を置く? なにそれ? どういう意味?? 言葉の意味がよく理解できない。
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