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隠された真実 6
「本気で言ってんの?」
地を這うような低い声が響いて、透は思わず俯いてしまう。
こんな事、本気で言えるわけない。
本当はずっと側に居て欲しいと思っている。だけど、今の自分は生徒と付き合っているというだけで世間からは白い目で見られる立場だ。もしもこのことがバレたら、透だけでなく彼の家族にまで迷惑をかけかねない。
「本気で言ってんのかって聞いてるじゃん!」
今まで、こんなに怒りをあらわにした和樹を見た事が無くて、正直戸惑う。だが、自分はそれだけの事を言っているのだから彼の反応は想定内だ。
「やっぱり、俺とお前じゃ最初から釣り合わなかったんだよ。こんな関係続けてもお互いの為にならないだろ?……わかってくれよ」
これで、終わりにするべきだと思った。これ以上続けたところできっとお互いに傷つくだけだから……。
透は意を決して顔を上げた。そこには、ショックと怒りと色々な感情でぐちゃぐちゃになった和樹の顔があった。
「わからないよ……。どうして……っ! あの時……俺と同じ気持ちだって……っ言ってたのに……」
今にも泣きだしそうな声に胸が痛む。
「そうだな。あの時は俺も欲求不満だったし、ヤりたいって思ってたから……丁度良かったんだ。お前だってヤりたがってただろ?」
「……っ、同じ気持ちって……そういう意味、だったの?」
違う。本当はそんな事思って無かった。 自分はそんな淫乱じゃないし、和樹だから受け入れたのだ。
喉元まで出掛かった言葉をグッと呑み込んで、心を落ち着かせる為に深く息を吐く。
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