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通じ合う思い 3
「っ、ふ……っ」
息苦しさに酸素を求めて口を開けば更に深くなる。
「っ、……っ」
貪るように何度も角度を変えられて、唇の端からは唾液が流れ落ちる。
「は……んん……っ」
「マッスー……あんま煽らないでよ。俺、今でもすげぇ我慢してるのに……」
そう言って苦笑しながら指先で唾液を拭われる。その表情が妙に色っぽくてドキリとし、同時に太腿付近に押し当てられた自分以外の熱を感じて身体の奥底が僅かに疼いた。
「我慢とか……らしくないな……」
「ふは、ちょっと、酷くない?」
笑いながら、再び唇にキスが落ちて来る。触れるだけのキスだけじゃ物足りなくて、自ら和樹の下唇を軽く食んでみると、その瞬間に和樹の纏う空気が変わった。
「っ、……マッスー、今のわざと?」
「なにが?」
「無自覚か……。タチ悪いなぁ」
困ったように笑う和樹の目はギラついていて、まるで獲物を狙う肉食獣のようだ。
「俺がどんだけ我慢してきたと思ってんだよ……」
「我慢なんてしなくていいだろ」
「え……?」
和樹の動きが止まる。きょとんとした顔をしていて、それが何だか可笑しくって、思わず噴き出してしまった。
「遠慮なんてらしくない事すんな……。俺はもう、逃げないし。……それに……俺も今、めちゃくちゃ……シたい気分、だから……」
「――――ッ」
最後の方は消え入りそうな声で呟いたが、それでもしっかりと届いていたようで、和樹の喉仏がゴクリと上下するのが見えた。
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