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第2話 女の子になりたかった
僕は中学一年生の男の子。けど、本当は女の子になりたかった。心は女の子。子供の頃からは好きになるのは男の子だった。しかし、恥ずかしくて告白したことはない。
ご主人様に会うまでは。
僕は、母と兄と三人暮らし。母子家庭だ。父は若死にして、今は狭い2DKのアパートに住んでいる。母は精神病を患って、仕事はしていない。いつも部屋で寝てばかりだ。アル中でもある。いつも酒を飲んでいるか、精神薬を大量に飲んで寝ているだけだ。母は物音がするのが嫌いだ。外から救急車のサイレンが鳴るだけで気分が悪くなってしまう。玄関の呼び鈴や電話の音さえ気になるらしい。そのため、僕や兄もなるべく音を立てないよう生活している。母の事が心配だが、僕にはどうにもならない。
兄は十八才だが、もう働いている。我が家は生活保護を受けているが兄の収入分が差し引かれて生活が苦しい。しかし、僕の兄はけっこう前向きで明るい性格だ。正義感が強い。外見も僕とは全く違う。兄は色黒でいかにも男性的な身体つきをしている。ただ、残念ながら、お世辞にも二枚目とは言えない無骨な顔だ。色白で華奢な僕とは大違いだ。
いや、僕は華奢という感じではない。胸は柔らかいと言うか、なんかおっぱいが少しだけ膨らんでいるような気がする。腰のあたりも妙になまめかしい。お尻もちょっと大きくて丸い。肌もスベスベだ。本当に女の子の身体みたいだなと思ったこともある。声も甲高い。四つん這いになってみた。まるでグラビア写真の女性のような気がした。自分は女になったと妄想して興奮した。
そして、そんな男らしい兄と女の子みたいな僕とは仲が良い。母とは別の一部屋を共有している。貧しいのでパソコンも共有。僕はネットでいろんなことを学んだ。ある日、僕がヘッドホンを付けてパソコンでAVの動画を熱中して見ていると、いつの間にか背後に兄が立っていた。
「なんだ、お前もこういうのに興味を持つようになったか。まあ、男なら当たり前だよな」
兄は僕の頭を小突くと笑って、仕事に出て行った。兄の仕事は夜勤が多いので、夕方、出勤することが多い。しかし、兄は僕のことを知らない。僕が見ていたAVの動画は女性が犯されている内容だ。そして、僕はその犯されている女性に感情移入していた。
そう、僕は女の子になって男性に犯されたい、その男性の性奴隷になりたい。その男性をご主人様と呼ぶ。そして、ご主人様にやさしく抱きしめてほしい。それが僕の願望だ。
奴隷になりたがっているのに、やさしくしてほしいとはわがままじゃないのかと言われそうだけど、僕はいつもそういう妄想をしている。身体の敏感なところを虐められ、辱めを受け、いろんな格好で犯されて、そして最後にはそのご主人様がベッドでやさしく抱きしめてくれる。
ちょっと、変な願望かな。僕は変態かもしれない。小学生の頃から秘かに裸になって自分の身体を見てうっとりしてた。後、どこかに監禁されて首輪を付けられて奴隷扱いされる妄想もしてた。けど、奴隷と言っても、本物の奴隷じゃなくて、実際は奴隷ごっこかもしれないね。
さて、僕は今、学校には行っていない。登校拒否をしている。中学校で虐めを受けたからだ。僕の顔はまるで女の子みたいだ。実際、女の子に間違えられたことが度々ある。確かに鏡を見ると、ショートヘアのかわいい女の子が映っている。顔はちょっと丸顔。髪の毛は生まれつき茶髪でサラサラだ。
同級生にはすでに身体中、毛だらけで見るからに男って感じの子もいたけど、僕の身体は全然毛が生えていない。気も弱く、人見知りもする。それが原因か、入学早々に虐めの対象になった。元々、小学校でも散々虐めを受けてもう嫌になっていた。それで、すぐに登校するのをやめた。学校での虐めは、僕の妄想でご主人様に虐められるのとは全然違う、陰湿なものだ。
母は僕が登校拒否になっても、ほとんど無関心だった。自分の事で精一杯のようだ。兄は心配してくれて、何度か学校へ行くように言われたが、僕は従わなかった。兄も仕事で忙しく、こう言ってあっさりとあきらめた。
「まあ、通信教育とかもあるし、それで何とかなるかな」
そういうわけで、僕はいつも家に居ることが多い。母はぼんやりとお酒を飲みながらテレビを見ているか、薬を飲んで寝ているかぐらいしかしていない。たまにわめきちらして、訴えてやるとか言って、隣人とトラブルになったこともある。何で訴えられるのかその隣人はさっぱりわからなかったようだけど。
仕方がないので、料理や掃除、洗濯などは僕がやっている。
僕が家事をしているので、兄も今の状況はそんなに悪いとは思ってないようだ。
そして、僕には秘密の趣味がある。母が若い頃着ていたであろうミニスカートを着ること。兄が仕事で外出し、母がぐっすり眠っている時に洋服タンスの奥からこっそり盗んだミニスカートを履く。母もいまさらミニスカートは着ないだろうし、無くなっているのにも気づかないだろう。本当は女性用の下着も着たいのだが、さすがにバレそうなので、そこまではしない。
兄と共有の部屋で、小机を壁に立てかける。この机は真っ黒で表面のコーティングのせいか鏡のように映る。そこへミニスカート姿の自分の全身を映していろんなポーズを取ったりする。それでうっとりとしていた。下着は履いていない。
どこから見てもミニスカートを着たショートヘアのかわいい女の子が映っている。まさに男の娘だ。ウエストが緩いので安全ピンでしっかり留める。そして、僕の頭の中では、そのミニスカートを履いたかわいい女の子である僕が男の人に犯されている。AV動画で見たように四つん這いになってみたりしているうちに、僕のあそこが大きくなる。まだむけてないし、小さいけど。
スカートにあそこが擦られているうちに、白い液体が出てきたのにはちょっとびっくりした。ただ、これがAVで見た男性の生理現象であることはすぐにわかった。射精というものだ。そして、自分がやっている行為がオナニー、自慰行為というものかと納得した。自分で自分を慰める。正直に言って、気持ちよかったのと、自分が男であることを自覚させられて、なんだか変な気分になった。僕は女の子になりたいのに。
その後も、ミニスカートを着て、僕は母の目を盗んでオナニーすることが多くなった。そして、いつも妄想しているのは、やはり、女の子になって男の人に犯されて、男性の固いものをおまんこに挿入されること。そして、男の人の白濁液を注ぎ込まれて、妊娠させられること。僕は大好きな男性の赤ちゃんがほしい。絶対無理な話だけど。しかし、僕には女性のような性器はついていない。当然、僕の関心は後ろの穴に行った。
但し、指を入れてみたら痛いし、それに臭いが気になったので、それ以上はしなかった。ただ、硬いものを後ろの穴に当てると気持ちいいのはわかったので、あそこを触ると同時に後ろの穴の周辺も刺激して気持ちよくなっていった。
そして、ある日の夕方。
夏になろうとしている季節。
兄はなぜかいつもよりずいぶんと早く出勤していった。なにやら大きい荷物をもっている。そして、僕はいつものように、母が寝静まっている時を見計らってミニスカートを履いてオナニーをしていた。ちょうど絶頂にいって、ティッシュに射精した時に、家のドアが突然開いた。一瞬、兄が帰ってきたのかと思って焦っていたら、見知らぬ男性が部屋に入ってきた。
その人が、今の僕のご主人様だ。
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